そうなんです。骨格を形成する硬い骨や、弾力のある軟骨、赤血球、白血球のような血球まで、結合組織は多様性に富んでいます。むしろ、「上皮組織・筋組織・神経組織に含まれないものが結合組織」くらいに覚えておいてもいいくらいです。
筋組織
筋細胞のあつまりが筋組織。いうまでもなく、筋肉を構成する組織です。筋細胞は特別なタンパク質の配列により、細胞の形を伸ばしたり、縮めたりすることができます。これが筋肉の収縮となり、器官の運動につながるのです。
神経組織
神経を構成する、神経細胞の集まりが神経組織です。神経細胞は、その一部が細長く伸びたような、細胞突起をもちます。神経細胞同士がつながり、情報(興奮)の伝達や処理を行っているのです。私たちがいろいろな刺激を感じられるのも、からだを動かせるのも神経のおかげ。脳も、神経細胞が集まってできたものです。
生物の身体を構成する”組織”の種類を覚えよう
上皮組織をふくめた4種類の組織は、高校の生物学でも教科書で紹介されます。上皮組織の定義などはもちろんですが、そのほかの組織についてもしっかり覚えておきましょう。
なお、各組織の細胞を研究対象とする分野を”組織学”といいます。組織学は生物学の中でも基礎研究として重要な位置を占めるだけでなく、病気の診断(病理診断)などにも関わってくる分野。私たちの細胞が侵されている病気を見つける際には、組織学で編み出されてきた細胞の観察技術が不可欠なのです。みなさんも、自分が思っていないところで組織学のお世話になっているかもしれません。