
3分で簡単「がん抑制遺伝子」人体に備わるがんを予防する機能とは?現役理系大学院生がわかりやすく解説!
これだけ多い病気ですが、「がん」とはどんな病気か知っている人は少ないんじゃないか?そして、本来ならば正常な細胞にはがんを抑制する遺伝子があり、この遺伝子が細胞ががん化をするのを防いでいるんです。ではなぜ人はがんになるのでしょう。大学院でガン抑制遺伝子の研究をしている、生物に詳しいライターcaoriと一緒に解説していきます。

ライター/Caori
国立大学院の博士課程に在籍している現役の理系大学院生。とっても身近な現象である生命現象をわかりやすく解説する「楽しくわかりやすい生物の授業」が目標。
「がん」とはなにか

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がんとはどんな病気なのでしょうか?「肺がん」、「胃がん」、「大腸がん」など、一言に「がん」と言ってもたくさん種類がありますよね。まずは「がん」の発生やどんな病気なのかについてご説明します。
ヒトの体は約37兆個の細胞からできており、これらの細胞は厳密にコントロールされ「必要な場所」で「必要な働き」をし、常に「必要な数が保たれて」、ヒトの身体の恒常性を保っているのです。しかし、なんらかの原因で遺伝子が変異すると、細胞は本来の働きを失い、不必要な場所で増え続けるようになります。つまり、「がん」とは普通の細胞から発生した異常な細胞が無秩序に増える病気です。
がん細胞は制御を失い、無秩序に増え続けます。勝手に増え続けて周囲の大切な組織を機能できないほどに壊したり、他の組織へと浸潤・転移したり、血管を詰まらせたり、血管を壊して大出血を起こさせたりするのです。そしてがんは多量に栄養を必要とするため、正常な組織もがん細胞に栄養を奪われ、身体は栄養失調に陥り、そして免疫力も低下します。このようなメカニズムで「がん」はヒトを死に至らしめるのです。
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