端的に言えば「体を壊す」の意味は「健康をそこなう」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
編集経験もあり、言葉の解説に長けているライターにて、10年働いているコトバアソビを呼んです。一緒に「体を壊す」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/コトバアソビ
12年前、激務により体を壊した筆者。通勤中に道端でパタリと倒れ、そのまま救急車で病院へ行く。体を壊すについてわかりやすく解説をする。
興味を持ったことは徹底的に調査をする性格。元人材派遣会社の面接官で履歴書や職務経歴書から、その人の内面を探ることができる。
体を壊すには「健康を害する」以外の意味はあるのかを調べている。
「体を壊す」の意味は?
「体を壊す」には、次のような意味があります。
1.過労、不養生などで健康をそこなう。
2.病気になる。
出典:精選版 日本国語大辞典(小学館)「体を壊す」
「体を壊す」とは、健康を維持できなくなることです。大抵の場合に他の要因(過労・不摂生・暴飲暴食など)により「体を壊す」と言います。突発的な事故や事件などについてより、長年蓄積された結果、病にかかるとの意味です。
突発的な事件や事故については「怪我をする」と表現します。体(からだ)は身体とも表現をする場合がありますね。しかし身体は非常用漢字であり「からだ」と読む言葉として、正しくはありません。身体は「しんたい」と読む場合に用いますね。
「からだ」を表現するときには、心までを言い表す「身体」をよく用いますが、正式な文章で使うことは間違っています。もしも心までを表現(心にスポットを当てたい表現)とするのならば「からだ」とひらいて表記しましょう。体を壊すと書いて、たとえばうつ病のような精神的な病に対し、用いてはいけないと、どの文献にも書いてはいません。
「体を壊す」の語源について
次に語源についてです。語源については「体調を崩す」と比較すると分かりやすいため「体を壊す」と「体調を崩す」の使い方について、定義された経緯を見てみましょう。
体を壊すとは、明治時代に書かれている小説や俳句などに登場しています。体は本来生身のものですが、意味としては親からの授かりものというニュアンスです。したがって親からもらったものを、破壊した行いが「壊す」と表現します。
一方で体調については、体の「調べ」ということです。調べが整わなくなるとの意味で「崩れる」と表現しますね。
語源については諸説があります。用法として「体」は「壊す」で「体調」は「崩れる」です。体を壊すと表現したのは、いただいた体を自らの行為により、疲労や蓄積されたもので壊したと、いう自戒の念を持っています。したがって「体調が崩れる」よりも「体を壊す」は重い表現です。
\次のページで「「体を壊す」の使い方・例文」を解説!/