この記事では「血となり肉となる」について解説する。

端的に言えば血となり肉となるの意味は「接種したものが自分に吸収されること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説や記事の執筆など、言葉に多く携わっている中低青黄を呼んです。一緒に「血となり肉となる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/中低青黄

大学生ライター。大学生活を送る傍ら、PR会社にて記事の添削・校正などを担当。また、高校生の頃から小説をはじめとした書籍を多数通読。小説の執筆や記事の作成なども行っている。小学校はカトリック系の学校に通っていた。

「血となり肉となる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「血となり肉となる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「血となり肉となる」の意味は?

「血となり肉となる」には、次のような意味があります。

1.食べた物がよく吸収されて栄養となる。

2.学んだ知識・経験などが完全に身について将来の活動に役立つようになる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「血となり肉となる」

我々の体を流れる血液と、身体を構成する肉。何かを摂取し、それが血や肉になるということはつまり、体に取り入れたのもがしっかり自分の一部になったことを表す訳です。

そんな「血となり肉となる」ですが、実は2つの意味を持っています。1つは、文字通り飲食したものがしっかり体の中に吸収され、栄養となること。これに関しては別段何か注釈もありません。

そして2つ目は、学んだことがしっかりと身に付くことです。これは比喩的な表現であると言えるでしょう。経験などは目に見えるものではありません。しかしそれでもなぜ「血」や「肉」になるのか。それは、物体的でなく思想や能力までも自分の体の一部とといらえているからです。

キリスト教における「血」と「肉」の話

本旨からは少し外れますが、キリスト教においても「血」と「肉」という表現が使われていたことを紹介しておきましょう。

キリスト教において最も世間に馴染みのある「最後の晩餐」。その際にキリストは12人の使徒にパンと葡萄酒(ワイン)を配り、こう言いました。「このパンは私の肉体(肉)であり、葡萄酒は私の血です。これを食べ、飲むことで私と一体化し、永遠の許しを受けることができます」。この儀式を通してキリストと一体化できるという考えを、「聖餐論」と呼びます。その考えに則り、ミサなどの際には信者は全員、パンと葡萄酒を口にするのです。

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「血となり肉となる」の使い方・例文

「血となり肉となる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.食べたものは必ず血となり肉となる。だから、好き嫌いはよくないよ。
2.どんなに苦しくて辛くても、この経験は血となり肉となり、ゆくゆく私を助けてくれるだろう。

例文1は食べたものが栄養になるという意味での「血となり肉となる」。この用法で「血となり肉となる」が使われるのは、決まって食べ物の大切さを説く時や、好き嫌いに対して苦言を呈する際であるような気がします。単体で「食べたものは血となり肉となる」と言われたところで当たり前すぎるからでしょうね。

そして例文2。こちらは経験が身になるという意味での「血となり肉となる」。大変な際に自らを鼓舞する、あるいは他人に対して励ます時、または人生について諭す際にも使われます。幅広いシーンで使える用法だと言えるでしょう。

「血となり肉となる」の類義語は?違いは?

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では、「血となり肉となる」の類義語にはどのようなものがあるのでしょう。

「消化する」

こちらは「血となり肉となる」が持つふたつの意味どちらにも対応した慣用句です。摂取したものが自らの一部なる過程を表した単語という意味では非常に似た意味を持っていますが、厳密にはどちらの意味も少しずつ異なっています。

食べ物が栄養に変わる意味では、こちらは吸収よりも容積が小さくなっていく過程にフォーカスしているという違いがあるのです。食事をし、体内に取り入れられた食べ物は各臓器を経由し、栄養として吸収されながらどんどん小さくなっていきますから。そして経験が身になる方の意味は、ほとんど同じですが、「乗り越える」意味も持っていることが相違点です。

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「糧となる」

糧は食物や、活動の根元を指しています。「糧となる」と言うと少し難しく聞こえるでしょうが、意味合いとしては「糧になる」だと考えてもいいでしょう。もちろん「糧になる」と表現するのも間違っていません。

経験が、今後を頑張る力になるというような意味です。ただ、こちらは食べ物が栄養になる意味での「血となり肉となる」と同様の使い方はできないので注意しましょう。

「血となり肉となる」の対義語は?

次に、「血となり肉となる」の対義語をご紹介します。

「ふいになる」

こちらは無駄になることや虚しい結果になってしまうことを表した単語です。「ふい」は、まったくなくなることや無駄になってしまうことを表しています。それになるということでそのような意味になる訳です。

そのため、食べ物に関しては使いませんが、経験や行動に関しては反対の意味で使えるでしょう。

「消化不良」

「血となり肉となる」の類義語として「消化する」を紹介させていただきました。その「消化」に、うまくいかないという意味を持つ「不良」を組み合わせた単語が、「消化不良」です。

こちらは食べたものがうまく消化できないことを表すのはもちろん、学んだことに対してしっかり納得できないことを表す際にも使えます。「高校数学に関しては消化不良気味だ」などのように使える訳ですね。

 

「食傷」

読み方は「しょくしょう」。食あたりのことを表す言葉です。

また、それ以外にも同じ食べ物を与えられるばかりで飽き飽きしてしまうことを表します。そこから転じて、同じことが続いて飽き飽きして嫌気が差すことも表せるのです。厳密には対義語と言えるか怪しいところですが、うまく血肉にできないという意味では反対の意味だと言えるだろうということで、ご紹介させていただきました。

「血」と「肉」を使った慣用句

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「血となり肉となる」以外にももうひとつ、「血」と「肉」の2文字が出てくる慣用句があります。

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「血湧き肉躍る」

読み方は「ちわきにくおどる」です。戦いや試合などを見てそれに対して激しく高揚することという意味を持っています。

人は興奮すると体温が上がりますよね。そこから、血が沸騰している、つまり血が沸いていると表現。また、肉は身体そのものを表している訳ですから、踊ってしまうほど興奮しているということを表現しているのです。このふたつの強い表現を重ねている訳ですから、相当なテンションの上がりようですよね。「血湧き肉躍る試合だった」などのような使い方をします。

「血となり肉となる」を使いこなそう

この記事では「血となり肉となる」の意味・使い方・類語などを説明しました。類語、対義語なども日常的に使用する慣用句をピックアップして扱いましたので、しっかり意味を把握して使いこなせるようにしましょう。

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【慣用句】「血となり肉となる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

「血となり肉となる」の使い方・例文

「血となり肉となる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.食べたものは必ず血となり肉となる。だから、好き嫌いはよくないよ。
2.どんなに苦しくて辛くても、この経験は血となり肉となり、ゆくゆく私を助けてくれるだろう。

例文1は食べたものが栄養になるという意味での「血となり肉となる」。この用法で「血となり肉となる」が使われるのは、決まって食べ物の大切さを説く時や、好き嫌いに対して苦言を呈する際であるような気がします。単体で「食べたものは血となり肉となる」と言われたところで当たり前すぎるからでしょうね。

そして例文2。こちらは経験が身になるという意味での「血となり肉となる」。大変な際に自らを鼓舞する、あるいは他人に対して励ます時、または人生について諭す際にも使われます。幅広いシーンで使える用法だと言えるでしょう。

「血となり肉となる」の類義語は?違いは?

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では、「血となり肉となる」の類義語にはどのようなものがあるのでしょう。

「消化する」

こちらは「血となり肉となる」が持つふたつの意味どちらにも対応した慣用句です。摂取したものが自らの一部なる過程を表した単語という意味では非常に似た意味を持っていますが、厳密にはどちらの意味も少しずつ異なっています。

食べ物が栄養に変わる意味では、こちらは吸収よりも容積が小さくなっていく過程にフォーカスしているという違いがあるのです。食事をし、体内に取り入れられた食べ物は各臓器を経由し、栄養として吸収されながらどんどん小さくなっていきますから。そして経験が身になる方の意味は、ほとんど同じですが、「乗り越える」意味も持っていることが相違点です。

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