1.おすすめされた自己啓発本を読んでみたが、非常に琴線に触れる内容で感銘を受けた。
2.先輩のビジネスマナーに留まらない心遣いは、思わず琴線に触れるほど素晴らしかった。
3.自分も誰かの琴線に触れるような、そんな小説を書きたいと思う。
4.今では人気俳優として活躍する彼の波乱な人生を書いたそのエッセイ本は、ファンのみならず、多くの読者の琴線に触れたそうだ。
5.生のオーケストラでの演奏はやはり違うものだ。何度も聞いた曲だったけれど、ホールで響くヴァイオリンはまさしく琴線に触れてしまったよ。
6.その映画の主人公の人間としての生き方に、心の琴線が共鳴してしまった。
「琴線」とは感動し共鳴する様子に使う言葉。例文1~5のように「琴線に触れる」という言い回しで使われることが一般的ですが、例文6のように「琴線に共鳴する」という言い回しも可能。この場合も意味は同様です。いずれも、通常の“感動する”という言い回しより、詩的で繊細な印象を与えることができます。ニュアンスに応じて使うようにすると良いでしょう。
ただし、本来「琴」の繊細な音や糸からたとえているように、いずれも感動する様子として、プラスの意味合いで使われています。そのため「琴線」はネガティブな意味や気持ちで使用する言葉ではありません。
誤用のないように、注意しておきましょう。
「胸を打つ」
「胸を打つ(むねをうつ)」とは、“強く感動させる”こと。心を打ち、ゆり動かす様子を指して用いる言葉です。「琴線」同様、感動の様子を表すときに用いられる点で、類語表現と言えるでしょう。
そのためほぼ似た意味を持っていますが、「琴線」の方がより繊細で詩的な印象を与えます。ニュアンスに応じて使い分けるといいでしょう。
「琴線」の対義語は?
続いて「琴線」の対義語表現となる言葉についても紹介します。
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