この記事では、「スペック」について解説する。
車とか家電とかを指して、『「スペック」が高い・低い』って言葉をよく聞くよな。たまに人に対して使っているのもみかけるが、それはなんかちょっと失礼に感じるんですね。「スペック」ってのは高ければ便利でいいってイメージでいるが、言葉の意味をきちんと説明しろと言われると、俺はちょっと自信ないぜ。
そこで今回は、ライターとしてのスペックになけなしの自信を持っているらしい、ぷーやんを呼んです。「スペック」の意味と使われ方について、謙虚に説明してもらおう。

ライター/ぷーやん

webライター歴7年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。副業でのライター歴が伸びてきて、作文に関しては若干調子に乗りはじめている『自称中級者』。

「スペック」の意味から押さえよう!

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それではさっそく、「スペック」の意味を辞書引きと例文で押さえていきましょう。

辞書にみる「スペック」

「スペック」は辞書で調べると、以下のように書かれています。

《specificationの略》機械などの構造や性能を表示したもの。仕様書。また、仕様。「新開発エンジンの―」
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「スペック」

「スペック」を外来語として意味を理解していた方も多いかと思いますが、「specification」の先頭4文字を取った「spec」のカタカナ表記ということですね。機械の説明書などに「仕様」のタイトルのもと、能力や寸法が書かれているページがあります。まさにそこに書いてあることが、「スペック」ということです。

例文で「スペック」の使い方を確認!

言葉の意味がわかると、実際に使ってみたくなるものです。「スペック」の使い方を、例文でご紹介します。

1.オープンワールドのゲームをPCでスムーズにプレイするためには、高い「スペック」が要求される。そのため、ハイ「スペック」もしくはハイエンドモデルのゲーミングPCは、かなり高額になりがちだ。
2.どんなソフトウェアにも、それを動かすための「スペック」要件が決められている。
3.実務と管理を2足のわらじでそつなくこなしている「スペック」の高すぎる課長には、とても頭が上がらない。

例文1と2は、パソコンやタブレットなどの端末に関係する「スペック」のことを言っています。ちなみにスマホでよく聞く「アプリ」とは、「アプリケーションソフトウェア」の略称で、ソフトの一種です。

例文3は「スペック」を人に対して使っていますね。人を機械などの働き具合にたとえた表現ですので、言われていい気分にならない方もいらっしゃるかと思います。本人に面と向かって言うのは、控えたほうが無難でしょう。

「スペック」の類義語3選!

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まずは「スペック」の類義語をみていきましょう。

規格:標準としての定め

「製品規格」などと言いますね。日本の工業製品に使われる工業規格(JIS)や、食品に貼られる農林規格(JAS)は、学校でも習う言葉ではないでしょうか。ちなみに国際規格というものもあり、俗にISOと呼ばれます。町中の工場の看板などで、『ISO9001』や『ISO14001』と書かれているのを見たことはないでしょうか。

仕様:製品の規定

「スペック」の辞書引き結果にもありますね。英語である「スペック」を日本語にしたものです。

\次のページで「諸元:性能や機能を数値化したもの」を解説!/

諸元:性能や機能を数値化したもの

「スペック」の類義語として、和訳の「仕様」以外では「諸元」がもっとも近いニュアンスを持つと思われます。聞きなれない言葉かもしれませんが、覚えておくとメーカーとのやり取りに役立つかもしれません。

「スペック」に対義語はある?

類義語の次は対義語をみていきたいところですが、製品の項目を並べた「スペック」に対義的な表現はありません。そのため『「スペック」に反する』という意味合いで考えたいと思います。

オフスペック:規格外品

製品に要求される「スペック」を、満たせていない生産物のこと。工場では、オフスペック製品を出さないために、ハード面にもソフト面にも様々な取り組みがなされています。

「スペック」は英語でどう表される?

前述の通り「スペック」は元々英語です。ここでは元の英語表記を確認してみましょう。

specification:仕様・諸元表

「仕様」「諸元表」などと和訳される単語です。ちなみに形容詞「specific」は、「明確な」「特定の」「特有の」という意味。

detailed description:詳しい説明

英英辞典で「specification」と引くと、このように説明されています。直訳すると「詳細な説明」です。

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注意が必要なものも?いろいろな「スペック」

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機能・性能・ハンドリングなどをまとめた「スペック」。気を付けてみてみると、日常で利用する様々なものに備わっています。「スペック」がどの程度のものかを端的に表すために、先頭や末尾にほかの言葉をくっつけて『○○「スペック」』や『「スペック」○○』という使われ方をすることも。そんないろいろな「スペック」をいくつかみてみましょう。

ハイ「スペック」

高性能であることを表す言葉ですね。同じ種類のもののなかで比較して、中程度よりも上のものを指します。ハイ「スペック」よりもさらに上の、最上位の機能を持つもののことは、「ハイエンド」あるいは「フラッグシップ」と呼ぶことも。パソコンやスマートフォン関連でよく目にしますね。

また「デキる人」のことや、交際相手に求める条件などに対して使われていることも。しかし例文の説明でも述べたように人に対して「スペック」という言葉を使うことは、人をモノのように扱っている印象を持たれかねませんので、ご注意を。

フル「スペック」

「規格をすべて満たしている」と「最上級」の2通りの意味で用いられる言葉です。先述の「ハイエンド」と同じ文脈で使われることも。一方で「ただ規格を満たしている」というニュアンスでも登場することがあるので、誤解されやすい表現といえるかもしれません。

「スペック」イン

建築業界などの業界用語です。内容はやや難しいですが、『お客さんに自社技術をアピールして、資材発注の仕様に得意とする項目を入れ込んでもらう』こと。要するに、自社製品が採用されやすいような仕様を、お客さんに設計してもらうということ。営業の大変さが伝わってくる言葉ですね。

カタログ「スペック」

接辞とはちょっと違いますが、カタログ「スペック」という言葉もよく聞くものです。この「スペック」が示すのは、メーカーが公表している性能のこと。もっともよく見かけるものとして、自動車の燃費が挙げられるでしょう。よく言われることですが、テレビCMなどで見る燃費は、実際に乗って走ってみたときよりもかなりいい数値であることが多いようです。

なぜこのようなことが起きるかというと、カタログ「スペック」を算出した条件が実際の走行状況と異なるから。カタログ「スペック」をみるときは、その数値が出された根拠を調べたほうがいいでしょう。

「スペック」を理解して自分の価値を高めよう!

この記事では「スペック」の意味を、類義語などの関連語とともに解説しました。日常の身近なところにあふれている、いろいろな「スペック」の種類も紹介しています。

お店に並ぶ製品の性能や安全性などは、メーカーが責任を持って公表するべきものです。とはいっても、メーカーで働いている人は同じ人間ですので、完璧を求めすぎるのも酷なもの。また我々消費者としては、メーカーが都合のいいように数字を出していないかを見極める賢さを持っていたいものですね。

この記事が「スペック」という言葉を理解することに資することができ、国語力のスペック向上に役立ちましたら幸いです。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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国語言葉の意味

「スペック」は人にも使う言葉?先頭にハイやフルがつくとどうなる?意味・使い方・英語などをwebライターが簡単にわかりやすく解説!

この記事では、「スペック」について解説する。
車とか家電とかを指して、『「スペック」が高い・低い』って言葉をよく聞くよな。たまに人に対して使っているのもみかけるが、それはなんかちょっと失礼に感じるんですね。「スペック」ってのは高ければ便利でいいってイメージでいるが、言葉の意味をきちんと説明しろと言われると、俺はちょっと自信ないぜ。
そこで今回は、ライターとしてのスペックになけなしの自信を持っているらしい、ぷーやんを呼んです。「スペック」の意味と使われ方について、謙虚に説明してもらおう。

ライター/ぷーやん

webライター歴7年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。副業でのライター歴が伸びてきて、作文に関しては若干調子に乗りはじめている『自称中級者』。

「スペック」の意味から押さえよう!

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それではさっそく、「スペック」の意味を辞書引きと例文で押さえていきましょう。

辞書にみる「スペック」

「スペック」は辞書で調べると、以下のように書かれています。

《specificationの略》機械などの構造や性能を表示したもの。仕様書。また、仕様。「新開発エンジンの―」
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「スペック」

「スペック」を外来語として意味を理解していた方も多いかと思いますが、「specification」の先頭4文字を取った「spec」のカタカナ表記ということですね。機械の説明書などに「仕様」のタイトルのもと、能力や寸法が書かれているページがあります。まさにそこに書いてあることが、「スペック」ということです。

例文で「スペック」の使い方を確認!

言葉の意味がわかると、実際に使ってみたくなるものです。「スペック」の使い方を、例文でご紹介します。

1.オープンワールドのゲームをPCでスムーズにプレイするためには、高い「スペック」が要求される。そのため、ハイ「スペック」もしくはハイエンドモデルのゲーミングPCは、かなり高額になりがちだ。
2.どんなソフトウェアにも、それを動かすための「スペック」要件が決められている。
3.実務と管理を2足のわらじでそつなくこなしている「スペック」の高すぎる課長には、とても頭が上がらない。

例文1と2は、パソコンやタブレットなどの端末に関係する「スペック」のことを言っています。ちなみにスマホでよく聞く「アプリ」とは、「アプリケーションソフトウェア」の略称で、ソフトの一種です。

例文3は「スペック」を人に対して使っていますね。人を機械などの働き具合にたとえた表現ですので、言われていい気分にならない方もいらっしゃるかと思います。本人に面と向かって言うのは、控えたほうが無難でしょう。

「スペック」の類義語3選!

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まずは「スペック」の類義語をみていきましょう。

規格:標準としての定め

「製品規格」などと言いますね。日本の工業製品に使われる工業規格(JIS)や、食品に貼られる農林規格(JAS)は、学校でも習う言葉ではないでしょうか。ちなみに国際規格というものもあり、俗にISOと呼ばれます。町中の工場の看板などで、『ISO9001』や『ISO14001』と書かれているのを見たことはないでしょうか。

仕様:製品の規定

「スペック」の辞書引き結果にもありますね。英語である「スペック」を日本語にしたものです。

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