この記事では「三日にあげず」について解説する。

端的に言えば三日にあげずの意味は「しょっちゅう」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「三日にあげず」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

鶏肉を揚げた料理全般が大好きすぎて、「昨日は唐揚げだったから今日はとり天」と三日にあげず食べてしまいがちとか。「三日にあげず」の意味や、よくある間違いについても解説してもらう。

「三日にあげず(みっかにあげず)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「三日にあげず」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「三日にあげず」の意味は?

「三日にあげず」には、次のような意味があります。

間をおかず。非常にしげく。しばしば。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「三日にあげず」の語源は?

次に「三日にあげず」の語源を確認しておきましょう。

まず「三日」は本当に3日間という期間を表すのではなく、「短い間」という意味。同じように「三日」が使われる言葉として、飽きっぽい人を示す「三日坊主(みっかぼうず)」や、ごく短期間しか続かなかった政権を表す「三日天下(みっかてんか)」がありますね。明智光秀のイメージも強い「三日天下」は「みっかでんか」と濁って読むこともありますよ。

次に「あげず」には、それだけでも次の回までに間隔をあけずに同じ事を繰り返す、という意味があります。ここに短期間であることを表す「三日」がついて、短い期間に頻繁に行われる様を強調している表現です。

\次のページで「「三日にあげず」の使い方・例文」を解説!/

「三日にあげず」の使い方・例文

「三日にあげず」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

・一人暮らしを始めたが、母が心配して三日にあげずに電話をかけてくる。自由になった気がしないよ。

・あの会社の営業マンは三日にあげず顔を出しては世間話をしていく。どうも憎めなくて、話を聞いてしまうんだ。

このように、しばしば繰り返される出来事について用いる「三日にあげず」。

言外に、「自分なら到底そんなにしょっちゅうはやらないだろう、できないだろう」と驚いたり呆れたりする感覚が込められることが多い言葉です。とはいえその頻繁な行動を非難するニュアンスだけではなく、「こんなにたびたびできるなんてすごいな」と尊敬する場合に使ってもかまいません。

「三日にあげず」の類義語は?違いは?

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では、「三日にあげず」と同じ意味で使える表現を見ていきましょう。

「あいさつ代わりに」

とても容易に物事を行うさまをいいます。「三日にあげず」と同じく頻繁に行われるのに加え、「軽々と」というニュアンスも付け足された表現で、「普通なら大変なことなのに事もなげに」という感嘆の気持ちも含まれていますよ。なお、「あいさつ代わり」にはほかにも2つ意味があるので併せて見ておきましょう。

1つは、客先を訪れて手土産を渡す際に「あいさつ代わりの品です」と伝えるケース。こちらは「気持ち程度の品物」という謙遜した意味合いが込められています。

もう1つはスポーツの実況などで「あいさつ代わりのホームランを浴びせた」などと使わるケース。「開始直後に突然」といった意味で、普通なら挨拶をしているようなタイミングなのに急に本題が始まったという驚きを持って使われます。

\次のページで「「足しげく」」を解説!/

・いとこが家に遊びに来るたびに、あいさつ代わりに数学の難しい問題を解説してくれて助かっています。

・ほんのあいさつ代わりにご用意したクッキーです。どうぞお納めください。

・世界大会の決勝だというのに、あいさつ代わりに得点を決められて出ばなをくじかれた気分だ。

「足しげく」

同じところにちょくちょく通う様子を表す言葉で、漢字にすれば「足繁く」となります。「頻繁」でも使われる「繁」の字には、「盛ん」や「わずらわしい」といった意味がありますよ。

この「足しげく」は「通う」とセットのように、実際にその場に出向く場合にだけ用います。電話やメールなどがいくら頻繁でも足は使いませんから、「足しげく電話をしてくる」などと言ったらおかしいですね。

・近所の定食屋さんがあまりにも美味しいので足しげく通っていたら、すっかり顔を覚えられてしまった。

「三日にあげず」の対義語は?

次に、「三日にあげず」と逆の意味を表す言葉を紹介します。「頻繁に」の反対ですから、「めったにない、珍しい」といった意味がよさそうですね。

「まれ」

漢字では「稀」と書きますが、常用漢字ではないために「希」が当てられることもあります。朝ドラの主人公が「希(まれ)」という名前だったこともありましたよ。実現や存在することが極めて珍しいことを表し、熟語でも「稀代(きたい)」「稀有(けう)」などめったにないものを表すときに使われる字です。田舎ではそうそう見かけないような美人を表すときによく使われる、「鄙(ひな)にはまれな」という表現も知っておくといいでしょう。

「たま」

まれであること、という意味で、漢字で書くなら「偶」や「適」となります。物事が繰り返されるものの、その間隔が長い場合をいい、一度も起こっていないことや今後二度と起こらないことについては使いません。

このように「繰り返される」場合に限定して用いる点で、「まれ」とは違いがありますよ。

\次のページで「「三日にあげず」の英訳は?」を解説!/

・この辺は冬も暖かいことで知られ、雪はまれだ。

・たまの休みはいつも家事だけで一日が終わってしまう。

「三日にあげず」の英訳は?

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最後に、「三日にあげず」を英語で表現したい場合にはどうしたらいいか、見てみましょう。

「very frequently」

frequentlyだけでも「頻繁に」を表しますが、veryをつけるとその頻繁な様子がさらに強調されます。ほかにも「しばしば」と習うことが多い「often」もありますが、frequentlyのほうがより頻度が高いケースに使われる印象です。

また、「たえず、しょっちゅう、常に」を表すconstantlyを用いてもいいでしょう。

「again and again」

againだけで「再び」という意味があり、「again and again」とすると「何度も何度も」となります。「三日にあげず」の意味のうち、「日数を置かず頻繁に」の部分よりも「繰り返し行われる」の部分を強調する表現といえるでしょう。

「三日にあげず」を使いこなそう

この記事では「三日にあげず」の意味・使い方・類語などを説明しました。

勉強やスポーツについては「三日にあげず」という熱心さが必要でしょうが、悪い習慣のほうで「三日にあげず」とならないように気をつけたいものです。

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【慣用句】「三日にあげず」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

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端的に言えば三日にあげずの意味は「しょっちゅう」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「三日にあげず」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

鶏肉を揚げた料理全般が大好きすぎて、「昨日は唐揚げだったから今日はとり天」と三日にあげず食べてしまいがちとか。「三日にあげず」の意味や、よくある間違いについても解説してもらう。

「三日にあげず(みっかにあげず)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「三日にあげず」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「三日にあげず」の意味は?

「三日にあげず」には、次のような意味があります。

間をおかず。非常にしげく。しばしば。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「三日にあげず」の語源は?

次に「三日にあげず」の語源を確認しておきましょう。

まず「三日」は本当に3日間という期間を表すのではなく、「短い間」という意味。同じように「三日」が使われる言葉として、飽きっぽい人を示す「三日坊主(みっかぼうず)」や、ごく短期間しか続かなかった政権を表す「三日天下(みっかてんか)」がありますね。明智光秀のイメージも強い「三日天下」は「みっかでんか」と濁って読むこともありますよ。

次に「あげず」には、それだけでも次の回までに間隔をあけずに同じ事を繰り返す、という意味があります。ここに短期間であることを表す「三日」がついて、短い期間に頻繁に行われる様を強調している表現です。

\次のページで「「三日にあげず」の使い方・例文」を解説!/

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