3分で簡単「オートファジー 自食」細胞が自分を食べる理由を現役理系大学院生がわかりやすく解説!
オートファジーと疾病
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「オートファジー」の研究が進むにつれて、「オートファジー」の異常は様々な疾病に関連していることが明らかになりました。
たとえば、神経細胞でオートファジーに関連する遺伝子の発現を抑制すると、パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患が引き起こされることが報告されています。さらに、オートファジーは、正常な細胞ではガン化につながるような悪影響から細胞を守るように働きますが、ガン化してしまった細胞では栄養飢餓状態の適応に利用されることが報告されました。
このように、「オートファジー」はガン、神経変性疾患、心血管疾患、肺疾患、感染症など、さまざまな疾患の発症や予防に関わっています。
オートファジー研究の今後
今回は「オートファジー自食」の歴史や、基本的なメカニズムと働きについて解説をしました。
非常に重要な現象であるにも関わらず、長年注目をされなかった「オートファジー」。大隅先生はオートファジーに働くタンパク質14個の遺伝子を見つけ、そのメカニズムを明らかにしたことでノーベル生理学医学賞を受賞されました。オートファジー研究分野における日本人の貢献はとても大きいです。
大隅先生のご活躍で研究は一気に広がり、動物細胞におけるオートファジー研究が世界中で行われ、生理機能との関連が続々と報告されるようになりました。しかしながら、「オートファジー」の基本的なメカニズムには多くの謎のままです。さらなる「オートファジー」仕組みの解明が、さまざまな病気を治療する糸口となることが期待されてます。今後の研究の発展がとても楽しみですね。




