このことわざの意味は端的に言うと「あるものを憎むと、それに関連するすべてが憎くなる」といったところですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
公務員として公文書作成や出版社での校閲業務といった経験を持つwebライターの本木を呼んです。一緒に「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/本木
大学では理系専攻で、物事の仕組みや成り立ちについて考えることを得意としている。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の意味についても由来を含めてじっくりと解説していく。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の意味は?
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」には、次のような意味があります。
その人を憎むあまり、その人に関係のあるものすべてが憎くなるというたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
直接的な意味としては「お坊さんを憎んでいる人にとっては、彼らの身に着けている袈裟までもが憎く思えてくる」となり、そこから嫌いなものに関係するものすべてが憎い、ということを例えたことわざです。
「袈裟(けさ)」は、現在の日本においては仏教の僧侶が衣服の上から身に着ける布状の衣装のことを指します。上の画像でいうと、左肩からかかっている緑色の衣服ですね。袈裟は普段はあまり聞かない言葉ですが、例えば「おおげさ」という言葉も漢字では「大袈裟」と書き、これも僧侶が着る袈裟に由来する言葉であると言われています。
なお「坊主が憎ければ袈裟まで憎し」、「法師が憎ければ袈裟まで憎し」などといった表現もありますが、こちらも同じ意味です。
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