この記事では「破天荒」について解説する。

端的に言えば破天荒の意味は「今まで誰もできなかったことをする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「破天荒」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「破天荒」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「破天荒」の意味や語源・使い方まとめ

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破天荒」は「はてんこう」と読みます。比較的日常で目にする言葉ですが、正しい意味を知らない人も少なくありません。それどころか、意味を誤って覚えている人が非常に多い言葉なのです。これを機会に、正しい意味を覚えましょう。それでは早速「破天荒」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「破天荒」の意味は?

まず初めに、「破天荒」の正しい意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「破天荒」には、次のような意味があります。

1.だれもしたことのない事をすること。

出典:新明解国語辞典(三省堂)「破天荒」

2.前人のなしえなかったことを初めてすること。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「破天荒」

「破天荒」の正しい意味は、今まで誰もできなかったことを初めて成し遂げる、と言うことです。悪いことをするのではなく、初めて成功したことに対して使われることが多いでしょう。

また、「破天荒」は誤用が大変多い言葉でもあります。「破天荒」は字面が目を引くせいか、色々なところで用いられていますね。例えばインターネットの記事の見出しや、雑誌や本などのタイトルや、商品のポップなどです。実は、それらの中でしばしば違う意味で使われている事があります。「怖れ知らずの破天荒な主人公」のような使い方を見たことがあると思いますが、これは「破天荒」を、大胆で豪胆、と言う意味で使っており、本来の意味ではありません。正しい意味をしっかりと覚えておきましょう。

「破天荒」の語源は?

次に「破天荒」の語源を確認しておきましょう。「破天荒」は、中国、宋の時代の説話集『北夢瑣言(ほくむさげん)』のエピソードから生まれた故事成語です。

昔、唐の時代、荊州では難関であった科挙の試験に合格する人が百年以上も現れませんでした。そのために、荊州は「天荒」と、呼ばれていました。「天荒」とは、まだ開拓されていない未開の地の事を言いますので、科挙の合格者がいまだにでない、のを皮肉ってつけられた呼び名だったのでしょう。そしてその後、劉蛻と言う人物が初めて科挙の試験に合格すると、「天荒を破った」と褒めたたえたそうです。このことから、今まで誰もできなかったことをやる、ことを「破天荒」と言うようになりました。

\次のページで「「破天荒」の使い方・例文」を解説!/

「破天荒」の使い方・例文

それでは、「破天荒」の使い方を実際の例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.監督が試みた破天荒な練習方法で、二回連続優勝と言う偉業を達成した。
2.テレビのクイズ企画で、まさかの全問正解と言う破天荒な成績を残した。
3.英語の睡眠学習と言う破天荒な試みを成功させるため、脳科学研究所に協力を要請中だ。

このように、「破天荒」は、誰もしなかったことをする、と言う意味で使われます。そして、ほとんどの場合ポジティブな意味合いで用いられるでしょう。

また、先ほども「破天荒」は誤用が多いと述べましたが、例文を用いて説明しましょう。例えば例文1の場合、正しい意味で読むと、監督が今まで誰もやったことのない練習方法を試みた、と言う意味になります。そして誤った意味で読んでみると、監督が豪快で大胆な練習方法を試みた、と言う意味になってしまうのです。誤った意味合いでも一見、文章が成立ってしまうので、誤用が多いのかも知れませんね。正しい使い方、意味の読み取り方をするように気をつけましょう。

「破天荒」の類義語は?違いは?

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「破天荒」の類義語には「前代未聞」や「未曾有」などが挙げられます。

「前代未聞」

前代未聞」は「ぜんだいみもん」と読みます。意味は、これまでに聞いたこともないようなたいへんな出来事、ということです。比較的身近で使われている言葉ですね。「前代」とは、以前のこと、「未聞」とは、聞いたことがない、と言う意味を持ちます。そして、「前代未聞」には、前例がない大変なこと、と言う驚きの意味合いもありますね。また、「破天荒」との相違点は、良い事にも悪い事にも用いられるというところでしょう。「破天荒」は由来からわかるように、良い意味で用いられることが多いです。

「未曾有」

未曾有」は「みぞう」と読み、「未曽有」と書くこともあります。難読な漢字ですが、ニュースや新聞などの見出しで見たことがあるのではないでしょうか。意味は、これまで一度たりとも起きなかったような、極めて稀な事態、ということです。「未曾有」も、以前に起きたことのない、と言う意味合いを持つ「破天荒」の類義語と言えるでしょう。

ところで、本来「未曾有」は、仏教で仏を賞賛する言葉でした。そして、いまだかつてないほどに素晴らしい、と言う意味合いだったのですが、現在ではほとんどが悪い意味で用いられるようになりました。例えば「未曾有の事態」と良く使われますが、今までにないほどに悪い状況であることを表します。ネガティブな表現で多く使われると言うのが、「破天荒」とは相違していますね。また、「破天荒」が人の行動に対して使われるのに対し、「未曾有」は状況や事象について用いられることが多いでしょう。

「破天荒」の対義語は?

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「破天荒」の対義語には「紋切型」が挙げられます。

「紋切型」

紋切型(もんきりがた)」とは、紋の形を切り抜くための一定の型のことですが、転じて物事のやり方が一定の型にはまっていることを意味します。つまり、決まりきったやり方をそのままし続ける、型破りな事をしない、と言うことで、現代語ではステレオタイプと言ったたところでしょうか。そして、「紋切型の真面目な性格」などと言うように、人に対しても使うことができます。「破天荒」が、今まで人がしなかったことをする、と言う意味ですから、「紋切型」は対義語としてふさわしいでしょう。

「破天荒」を使いこなそう

この記事では「破天荒」の意味・使い方・類語などを説明しました。とにかく誤って使われていることが多い「破天荒」ですが、正確な意味は覚えられましたか?言葉は、時代を経るごとに意味を転じていく物も多いので、もしかしたらいずれ「破天荒」の意味に、豪胆、大胆、が加えられるのかも知れませんね。しかし、試験などでは間違えやすい問題ほど出されますから、正しい意味を覚えておいてください。

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国語言葉の意味

「破天荒」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「破天荒」について解説する。

端的に言えば破天荒の意味は「今まで誰もできなかったことをする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「破天荒」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「破天荒」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「破天荒」の意味や語源・使い方まとめ

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破天荒」は「はてんこう」と読みます。比較的日常で目にする言葉ですが、正しい意味を知らない人も少なくありません。それどころか、意味を誤って覚えている人が非常に多い言葉なのです。これを機会に、正しい意味を覚えましょう。それでは早速「破天荒」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「破天荒」の意味は?

まず初めに、「破天荒」の正しい意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「破天荒」には、次のような意味があります。

1.だれもしたことのない事をすること。

出典:新明解国語辞典(三省堂)「破天荒」

2.前人のなしえなかったことを初めてすること。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「破天荒」

「破天荒」の正しい意味は、今まで誰もできなかったことを初めて成し遂げる、と言うことです。悪いことをするのではなく、初めて成功したことに対して使われることが多いでしょう。

また、「破天荒」は誤用が大変多い言葉でもあります。「破天荒」は字面が目を引くせいか、色々なところで用いられていますね。例えばインターネットの記事の見出しや、雑誌や本などのタイトルや、商品のポップなどです。実は、それらの中でしばしば違う意味で使われている事があります。「怖れ知らずの破天荒な主人公」のような使い方を見たことがあると思いますが、これは「破天荒」を、大胆で豪胆、と言う意味で使っており、本来の意味ではありません。正しい意味をしっかりと覚えておきましょう。

「破天荒」の語源は?

次に「破天荒」の語源を確認しておきましょう。「破天荒」は、中国、宋の時代の説話集『北夢瑣言(ほくむさげん)』のエピソードから生まれた故事成語です。

昔、唐の時代、荊州では難関であった科挙の試験に合格する人が百年以上も現れませんでした。そのために、荊州は「天荒」と、呼ばれていました。「天荒」とは、まだ開拓されていない未開の地の事を言いますので、科挙の合格者がいまだにでない、のを皮肉ってつけられた呼び名だったのでしょう。そしてその後、劉蛻と言う人物が初めて科挙の試験に合格すると、「天荒を破った」と褒めたたえたそうです。このことから、今まで誰もできなかったことをやる、ことを「破天荒」と言うようになりました。

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