示準化石とは
古代の生物は、ある地域である時期にだけ繁栄しある時期を境に全く存在しなくなる生物がいます。このような生物はある一時期にしか存在しなかったため、この生物の化石が発掘されたときその地層の堆積時代をかなり限定することができるのです。このように、その化石が含まれている時代を特定するために役立つ化石を示準化石と言います。示準化石の基準は現代に生存していないこと、短い期間の間に形態変化していないこと、分布が広くたくさん産出することの3つです。
今回のテーマである示相化石を混同されることが多いので注意しましょう。
示準化石の例
示準化石となる生物にはアンモナイト・恐竜・有孔虫・フズリナなどがあります。三葉虫は古生代、アンモナイトや恐竜は中生代、マンモスなどの哺乳類とビカリアという巻き貝の化石は新生代を示す化石です。また、海洋に住む有孔虫などの微化石も示準化石として利用されています。
示準化石として使用できる微化石には有孔虫の他に放散虫・珪藻などもあるぞ。これらの微細な化石が示準化石として使用できるのも電子顕微鏡や放射性同位体技術の発展のおかげだな。
示相化石とは
image by Study-Z編集部
一方、サンゴやシジミは現代にも存在しているためそれらがどのような環境で生息しているのかが分かります。化石となった生物ががどのような環境で生息していたのかを推定することのできる化石が示相化石です。
示相化石の条件
示相化石の条件として、現在も地球上に生息していることがあります。そうでなければその生物がどのような環境で暮らしているのかがわからないからです。また、プレート運動などによって実際にその生物が暮らしていた地域から遠く離れた場所に移動してしまうと、示相化石が採掘できた場所の正しい環境を推定することができないため化石が現地性であることも重要なポイントとなります。
示相化石の例
示相化石は現代にも生存している生き物なので、聞いたことのある名前の生物ばかりです。示相化石にはアサリ・ハマグリ・ホタテといった二枚貝、ブナやカエデといった植物、サンゴなどが当てはまります。
また、最近は放射性同位体の分析技術が進歩しているため、海洋のプランクトンの化石からそのプランクトンがどのような環境で生息していたかがわかってきました。いずれはこのようなプランクトンも示相化石に追加されるかもしれませんね。
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