この記事では「エゴ」について解説する。

端的に言えばエゴの意味は「わがままなこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本文学科出身で事務職を経て現在はライター業のかたわら校正もしているjasminを呼んです。一緒に「エゴ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/jasmin

日本文学を専攻し事務職を経て現在は校正兼ライター。正しく美しい日本語を追求している。人は窮地におちいると本当の自分が見えてくるというが…。締め切りが近くなるとあながち嘘ではないなと思ってしまう。今回は人間のあるがままの姿なのだろうかの「エゴ」について説明していく。

「エゴ」の意味や語源・使い方まとめ

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それではさっそく「エゴ」の意味や使い方を見ていきましょう。

「エゴ」の意味は?

「エゴ」には、次のような意味があります。

1.自我
2.「エゴイズム」の略。「ーをむき出しにする」
3.「エゴイスト」の略

出典:デジタル大辞泉(小学館)「エゴ」

「エゴ」は「エゴイズム」や「エゴイスト」の略で利己的で自分の利益中心の考え方をすることや人のことをいい、そしてその行動が他者の迷惑になっていることを分かっていないことでそのような考え方の人を「エゴイスト」と言います。俗に言う「自己中」な人のことですね。「エゴ」はこのほかにも自我という意味もあり、「エゴイズム」は確実に存在するのは自分だけでほかは不確かな存在だという説です。「エゴ」唯我論や独我論ともいわれており、「自我が強い」や「自我の目覚め」といった言い方をしますが心理学では行動や意識の主体のことをいい、自我意識と呼ばれることもあります。

「エゴ」の使い方・例文

「エゴ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「エゴ」の類義語は?違いは?」を解説!/

1. 安売りスーパーで達人ぶった人たちがエゴむき出しでサービス品を次々とカゴの中にいれていくのを見て、周囲の人は誰にも止められない状態にひたすら引いている。
2.ここは集団で活動ている運営している組織である以上独断で勝手に規則を変更してはいけないと注意して、今後同じようにエゴを通すような態度をとるならコーチを辞めてもらうと釘を刺した。
3.私はエクゼクティブと呼ばれるようになるために仕事をする中でも自尊心を失わないで主義主張をつらぬいていたが、その結果エゴのかたまりだとみんなに中傷されても中には他人を気にしない姿勢がいいと評価してくれる読者もいた。

例文はどれもエゴについてどう思ったかについての文章ですが、1はエゴ丸出しで脇目もふらず安い商品を買いあさる人を見て引いてしまったという表現の文ですが、2は和を大事にしている組織で自分勝手な行いをして迷惑をかけている人が、今度そのようなことをすればクビだと警告を受けているところで、例3は自分の今までを振り返って名声を得るために自分の主義主張を曲げずに生きてきたことで犠牲も払ったが、評価してくれる人もいたという意味の文になります。それぞれに場合は違いますが、エゴが周りの人を不快にだけではなく、その人が生きていくための手段だということで良いと思ってくれる人もいるということです。

「エゴ」の類義語は?違いは?

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利己的や自分勝手という意味の「エゴ」ですが、類義語は何でしょうか。さっそく見てみましょう。

「身勝手」

「身勝手」(みがって)とはまわりをかえりみず自分の都合や利益だけを考える主義や行動のことで、「エゴ」と同じ意味になります。「勝手」も同様に自分の都合優先にして他人のことは全く考えないことです。「身」の字がついたところで意味はさほど変わりません。自分の身のほどをかえりみず勝手な行いをしているということなのでしょうか。「社長の身勝手な経営に転職を考えた」または「家が抵当に入ってしまったので明け渡そうとしたが、それは身勝手だと責められた」のように使います。

「エゴ」の対義語は?

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それでは「エゴ」の反対の意味を持つ対義語は何になるのでしょうか、見てみましょう。

\次のページで「「非我」」を解説!/

「非我」

「非我」(ひが)は自我とは対になって存在するすべてのもののことをいいます。哲学では自我(エゴ)から区別された外界・環境・自然のことを意味していおり、「自我」とは違う自分より外の存在のことです。「エゴイスト」の人のように自分の利益だけを考えるのではなく、自分以外の人の存在を認め利益も考えるということでしょうか。「今まで自己の利益ばかり考えて行動していた私は非我の境地に達しました」のような使い方をします。

「アルトゥルーイズム」

「アルトゥルーイズム」(altruism)は英語で「利他主義」のことで、自己の利益よりも他者の利益を優先する思想のことです。「エゴイスム」の対語として作られた造語ですが、日本に導入されたときに仏教用語の「利他」が当てはめられたといわれています。利他主義は困っている他人を助けることによって徳を積み、自分の利益を追求しない考え方のことです。人間本来の状態は利己主義であり利他的行動は人間固有の精神から来るという説と本来人間は利他的であり、利他的な行動は人間の自然的な本性からであるという考え方もあります。

「エゴ」の英訳は?

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さて、「エゴ」の英訳は何というのでしょうか、見てみましょう。

「(the)self」

「エゴ」を「自我」で英訳を調べた結果、似た語として「the self」や「the ego」という言い方をします。「自我の強い」は「自己中心」「利己的な」意味の「egoistic」や「自分本位」の「selfish」などがあり「自我の形成」を英訳すると「the formation of one's ego」という訳です。

「alter ego」という熟語がありますが、これは「完璧な代役」「腹心」「親友」のことで「alter」は~を変えるや分身、別の自己といった意味になります。親友や完璧な代役など自分によく似ている、自分に一番近い存在といった考え方もあり「エゴ」は内面の葛藤の原因といわれるのでしょうか。

「エゴ」を使いこなそう

この記事では「エゴ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「エゴ」はわがままや自分勝手という意味が先行してしまっていますが、自我という意味もあり、心理学では幼年期に自覚されるが現実に対応して行動を調整し青年期には確率するといわれています。単なる自分の利益だけを追求することやわがままな人ではなく自我は外の世界とは区別された自分のことをあらわし、他者や外の世界から隔絶した本来の自分自身であるという考え方もありよくもう1人の自分と表現されますが外向きの自分と内面の自分と葛藤のことなのかもしれません。

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国語言葉の意味

「エゴ」の意味や使い方は?例文や類語を文学部卒の校正者兼ライターがわかりやすく解説!

この記事では「エゴ」について解説する。

端的に言えばエゴの意味は「わがままなこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本文学科出身で事務職を経て現在はライター業のかたわら校正もしているjasminを呼んです。一緒に「エゴ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/jasmin

日本文学を専攻し事務職を経て現在は校正兼ライター。正しく美しい日本語を追求している。人は窮地におちいると本当の自分が見えてくるというが…。締め切りが近くなるとあながち嘘ではないなと思ってしまう。今回は人間のあるがままの姿なのだろうかの「エゴ」について説明していく。

「エゴ」の意味や語源・使い方まとめ

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それではさっそく「エゴ」の意味や使い方を見ていきましょう。

「エゴ」の意味は?

「エゴ」には、次のような意味があります。

1.自我
2.「エゴイズム」の略。「ーをむき出しにする」
3.「エゴイスト」の略

出典:デジタル大辞泉(小学館)「エゴ」

「エゴ」は「エゴイズム」や「エゴイスト」の略で利己的で自分の利益中心の考え方をすることや人のことをいい、そしてその行動が他者の迷惑になっていることを分かっていないことでそのような考え方の人を「エゴイスト」と言います。俗に言う「自己中」な人のことですね。「エゴ」はこのほかにも自我という意味もあり、「エゴイズム」は確実に存在するのは自分だけでほかは不確かな存在だという説です。「エゴ」唯我論や独我論ともいわれており、「自我が強い」や「自我の目覚め」といった言い方をしますが心理学では行動や意識の主体のことをいい、自我意識と呼ばれることもあります。

「エゴ」の使い方・例文

「エゴ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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