この記事では「ポテンシャル」について解説する。

端的に言えば「ポテンシャル」の意味は「可能性」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「ポテンシャル」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で日本語を分かりやすく解説していく。

「ポテンシャル」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ポテンシャル」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ポテンシャル」の意味は?

「ポテンシャル」には、次のような意味があります。

1.潜在的な力。可能性としての力。

2.ある粒子が持つ位置エネルギーを、位置の関数で表したスカラー量。重力場の場合は重力ポテンシャルとよばれる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ポテンシャル」

「ポテンシャルが高い」という言葉はよく聞く言葉ですよね。また、実際に人に言われたことがある人も多いのではないでしょうか。褒め言葉ということはわかるけど、詳しい意味を意識することはあまりないですよね。

一般的に多く用いられている褒め言葉としての「ポテンシャル」には、潜在能力可能性という意味があります。現実的に今見える形での能力ではなく、これから発揮されるであろう能力や内に秘めた力を感じたときに「ポテンシャルが高い」と表現するので、「ポテンシャルが高い」と言われた時はまだ見ぬ才能や可能性を期待されていると判断していいでしょう。

二つ目の意味のように、「ポテンシャル」は物理用語としても用いられることがあります。物理用語としての「ポテンシャル」は、テーブルの上から物が落ちるときなど高低差によって生じるエネルギーのことを表現する用語です。この重力によって生じるエネルギーのことを「ポテンシャルエネルギー」と言います。

「ポテンシャル」の語源は?

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次に「ポテンシャル」の語源を確認しておきましょう。

「ポテンシャル」は英語の「potential」からきた外来語ですが元々の語源は、ラテン語の「potent」です。この「potent」は可能性を意味する言葉で、ここから派生して英語の「potential」になりました。

この「potent」からは他にも「power(力)」「possible(可能性)」などの英単語が派生しているようですよ。このことからも、「ポテンシャル」は力や可能性を表現するということがよく分かりますね。

\次のページで「「ポテンシャル」の使い方・例文」を解説!/

「ポテンシャル」の使い方・例文

「ポテンシャル」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼の仕事に対する向上心や成長の早さ、行動力などに素質や将来性を感じ、そんな彼の高いポテンシャルを見込んで今回採用を決めた。
2.自分自身のポテンシャルを信じて、失敗を恐れず何事にも挑戦することが大切だ。
3.大手企業の商品開発分野では、自社で開発した製品に起こるあらゆる事故のポテンシャルを予測して分析している。

「ポテンシャル」が表現する「可能性」には、ポジティブな意味とネガティブな意味の二つの使い方があるので、それぞれ見ていきましょう。

ポジティブな意味での使い方は、一つ目と二つ目の例文のように褒め言葉として自分や人の内側に眠る秘めた可能性や能力に期待する意味で用いられます。自分自身の可能性を信じて何かに挑戦したり、新人の成長に期待して仕事を任せるときなどビジネスシーンで用いることも多いです。

ネガティブな意味での使い方は、三番目の例文のように事故やハプニングなどの未来に向けてプラスではなくマイナスにベクトルの向いた可能性を表現します。「事故のポテンシャルを予測して運転する」や「永遠にポテンシャルのままだった」など、悪いことが起こることを予測したり、可能性が永遠に可能性のまま終わるというようなことを表現するときに用いる言葉です。

「ポテンシャル」を使って相手を評価したい場合は、ポジティブな意味とネガティブな意味を状況を見てきちんと使い分けてみてくださいね。

「ポテンシャル」の類義語は?違いは?

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「ポテンシャル」は、潜在能力や可能性などのこれから現れるであろう能力や実力に期待する言葉でした。「ポテンシャル」と同じ意味を表現する日本語は「期待値」や「素質」「伸び代」など沢山ありますが、今回はあえて日常的にあまり馴染みのない外来語の類義語を紹介したいと思います。

それでは早速見ていきましょう。

「ケイパビリティ」

今回「ポテンシャル」の類義語として紹介するのは、「ケイパビリティ」です。

「ケイパビリティ」は日常的にあまり馴染みのない言葉ですが、「能力」や「才能」、「可能性」といった意味を表現します。ビジネス用語として用いられることが多いので、日常的に見かける機会が多いのは「ポテンシャル」の方かもしれません。

「ポテンシャル」と「ケイパビリティ」はどちらも「可能性」という基本的な意味は同じですが、用いられる場面に多少の違いがあります。「ケイパビリティ」は主に、自分の企業が他社と比べて勝っている能力や組織全体の能力を表現するので、実際に今見える形で持っている能力を踏まえた可能性を指すということが分かりますね。

しかし「ポテンシャル」はこれから現れる能力を期待するという可能性を指す言葉でした。よって同じ「可能性」を表現する言葉でも、今ある実力を踏まえた可能性を意味する「ケイパビリティ」と、これから能力が表れることを期待して信じる可能性を意味する「ポテンシャル」というように使い分けることが出来るという訳ですね。

\次のページで「「ポテンシャル」の対義語は?」を解説!/

「ポテンシャル」の対義語は?

「ポテンシャル」の対義語とは、いったいどのような言葉でどんな意味があるのでしょうか。それでは早速見ていきましょう。

「顕在化」

「ポテンシャル」とは、これから現れそうな能力の可能性に期待するということを意味しました。そんな「ポテンシャル」の対義語は「顕在化」です。

「顕在化」とは、内に秘めていたものや隠れていた能力がはっきり形となって表れることを表現します。見えないものに期待するという「ポテンシャル」と、見えなかったものをはっきりと見えるようにするという「顕在化」では反対の意味を表すということが分かりますね。

「ポテンシャル」を使いこなそう

この記事では「ポテンシャル」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「ポテンシャルが高い」と言われると、ついつい能力や才能があるというように褒められていると勘違いしてしまうことがありませんか?しかし「ポテンシャル」は、実際に今才能や能力があるということを表現しているという訳ではなく、これからその能力が現れるかもしれないということに期待されているということが分かりましたね。

絶妙な使い分けが非常に難しいものではありますが、細かい使い分けをマスターしてビジネスシーンでも使いこなせるようにしてみてください。生活の「ポテンシャル」を上げて、色濃い人生にしていきましょう。

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国語言葉の意味

「ポテンシャル」の意味や使い方は?例文や類語を現役学生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「ポテンシャル」について解説する。

端的に言えば「ポテンシャル」の意味は「可能性」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「ポテンシャル」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で日本語を分かりやすく解説していく。

「ポテンシャル」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ポテンシャル」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ポテンシャル」の意味は?

「ポテンシャル」には、次のような意味があります。

1.潜在的な力。可能性としての力。

2.ある粒子が持つ位置エネルギーを、位置の関数で表したスカラー量。重力場の場合は重力ポテンシャルとよばれる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ポテンシャル」

「ポテンシャルが高い」という言葉はよく聞く言葉ですよね。また、実際に人に言われたことがある人も多いのではないでしょうか。褒め言葉ということはわかるけど、詳しい意味を意識することはあまりないですよね。

一般的に多く用いられている褒め言葉としての「ポテンシャル」には、潜在能力可能性という意味があります。現実的に今見える形での能力ではなく、これから発揮されるであろう能力や内に秘めた力を感じたときに「ポテンシャルが高い」と表現するので、「ポテンシャルが高い」と言われた時はまだ見ぬ才能や可能性を期待されていると判断していいでしょう。

二つ目の意味のように、「ポテンシャル」は物理用語としても用いられることがあります。物理用語としての「ポテンシャル」は、テーブルの上から物が落ちるときなど高低差によって生じるエネルギーのことを表現する用語です。この重力によって生じるエネルギーのことを「ポテンシャルエネルギー」と言います。

「ポテンシャル」の語源は?

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次に「ポテンシャル」の語源を確認しておきましょう。

「ポテンシャル」は英語の「potential」からきた外来語ですが元々の語源は、ラテン語の「potent」です。この「potent」は可能性を意味する言葉で、ここから派生して英語の「potential」になりました。

この「potent」からは他にも「power(力)」「possible(可能性)」などの英単語が派生しているようですよ。このことからも、「ポテンシャル」は力や可能性を表現するということがよく分かりますね。

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