
端的に言えば始末に負えないの意味は「どうしようもない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「始末に負えない」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。
ライター/ヤザワナオコ
コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。
小学校の同級生でなかなかのいたずらっ子がいて、今でも「始末に負えない」という言葉からその友達を連想するらしい。「始末に負えない」とはどんなときに使う言葉なの解説してもらう。
「始末に負えない」の意味は?
「始末に負えない」には、次のような意味があります。
どうしようもない。処理できない。手に負えない。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
評価する側から見て、素直に言うとおりにしない人やお手上げだと感じさせる人を指していうことが多い言葉です。それもこれからその状態を改善させようというよりは、なかば呆れつつ、諦めているようなケースで使われますよ。
とはいえ、発明王エジソンなどは幼少期は旺盛すぎる好奇心ゆえに先生や周りの大人を困らせるまさに「始末に負えない」存在だったとのこと。その好奇心をつぶされなかったからこそ偉大な発明をたくさん成し遂げたと思うと、「始末に負えない」というぐらいの個性があるのも悪いことではないのかもしれませんね。
「始末に負えない」の語源は?
次に「始末に負えない」の語源を確認しておきましょう。
まず「始末」ですが文字どおり物事の始めと終わりのことをいい、ここでは物事の締めくくりや後片付けといった意味で使われています。「始末に困る」とか「火の不始末で出火した」などと使うのと同じ意味合いです。
また、「負う」には「おんぶする」のほか、「引き受ける」の意味も。「責任を負う」などの使用例があります。この「始末」を「負えない」のですから、人を相手にすればしっかりと相手にするのが難しい、仕事などでは処理するのが難しいということを指すのです。
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