
3分で簡単「抗原」と「抗体」!現役講師が簡単にわかりやすく解説します!
予防接種とワクチン
予防接種は、免疫の反応を利用した技術の代表的な存在といえるでしょう。あらかじめ抗原をからだに取り入れておくことで、B細胞の記憶細胞をつくり、実際に病原体が侵入してきたときにすぐ抗体がつくれるようにします。
さらにリンパ球の仲間であり、やはり免疫ではたらくT細胞にも記憶細胞ができるため、同様に活性化され、病原体の排除にはたらくのです。

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予防接種で体に取り入れる抗原がワクチンです。注射で接種することが多いですね。”元気な病原体”そのものを摂取してしまうと、普通に感染症にかかってしまうので、一般的にワクチンは「病原体を弱らせたもの」や「病原体のからだの一部」、「病原体のもっている成分(タンパク質)」などが使われます。

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日本では子供が生まれてから生長するまでの過程で、いくつかの感染症に対する予防接種が推奨されています。上の表は、その一部をまとめたものです。生後間もなく摂取する「B型肝炎ワクチン」や、ジフテリア、百日せき、破傷風の3種類のワクチンが混ざった「三種混合ワクチン」、結核予防の「BCGワクチン」などがあります。
接種が推奨されるワクチンで防げる感染症は、過去に大流行したり、感染すると命にかかわるような重い症状が現れるような病気が多いです。大人の方は、自分がどのワクチンをうったことがあるか、確認してみるのをおすすめします。病気の種類によって免疫の持続時間が異なるため、子どものころにかからなかった病気に、大人になってからかかることもあるんです。
抗体検査
特定の病原体に対する抗体が血液中に存在しているかを調べることで、その病気にかかったことがあるかを調べることができます。しかしながら、抗体は感染時はもちろんのこと、病原体が排除された後もしばらくの間は血液中に残り続けるため、「今現在感染しているのか」「以前感染したが今は治っているのか」はわからないんです。
代表的な感染症では、風疹の免疫があるかの検査に抗体検査が用いられるほか、2020年には新型コロナウイルス感染症の検査としても話題になりました。
免疫の学習は生きていくうえで必須!
免疫は、私たちが健康に人生を送るためには欠かすことのできないシステムです。しかしながら、抗原や抗体、白血球などについての知識がないと、その仕組みを理解することができません。免疫の仕組みを知らずに、感染症対策や病気の治療で誤った方向に進んでしまうのは、避けたいところです。
今回ご紹介した、抗体をつかう「体液性免疫」のほかにも、「細胞性免疫」や「自然免疫」といった免疫システムが存在します。どれも一度はしっかり学習してほしい内容です。