
3分で簡単「抗原」と「抗体」!現役講師が簡単にわかりやすく解説します!
Martin Brändli (brandlee86) – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, リンクによる
その構造によっていくつかの種類に分けられていますが、哺乳類ではIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類に分類されることが多いです。それぞれの抗体が抗原…つまり病原体などに結合すると、いろいろな変化が起こります。少し詳しく見てみましょう。
【凝集反応】
抗体の結合した抗原が、ぎゅっと集まる反応です。凝集した抗体と抗原のかたまり(抗体抗原複合体)は、マクロファージなどの食作用をおこなう白血球によって排除されます。
【オプソニン効果】
抗体の結合した抗原は、食作用をおこなう細胞を活性化し、食作用を促進します。マクロファージや好中球が、それまで以上にどんどんと食べて排除してくれるようになるんです。これをオプソニン効果(またはオプソニン作用)といいます。
【中和作用】
抗体が抗原に結合することで、抗原の毒性を弱める効果が生じるのが、中和作用です。細菌やウイルスだけでなく、蛇などの毒素にも効果があります。
【補体の活性化】
補体(ほたい)とは、細菌などの細胞膜を破壊する機能をもったタンパク質です。普段ははたらいていませんが、抗体の結合した抗原があると、それに反応して活性化、抗体の結合している抗原を破壊します。
上記のような、抗体と抗原の結合によって引き起こされる反応や、結合自体のことを抗原抗体反応といったりします。
病原体に対して大きな効果を発揮する抗体ですが、残念ながら1つのB細胞がつくる抗体は1種類のみ、かつ、その抗体は1種類の病原体にしか結合できません。つまり、1つのB細胞は1つの病原体(抗原)にのみ対応しているのです。この関係を「特異的に反応する」と表現します。
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特異的に反応できる抗原を認識すると、その担当となるB細胞は細胞分裂して数を増やし、形質細胞に分化。たくさんの抗体がつくられます。できた抗体がどんな役割を果たすかは、前述の通りです。
やがて病原体が排除されると、それに抵抗するための抗体をつくっていたB細胞は多くが死滅してしまいますが、一部が「記憶細胞」として残ります。再度同じ病原体が侵入してきたときに記憶細胞が活性化し、すぐさま抗体をつくるため、2回目の感染では症状が軽く済むようになるのです。以上のような、抗体を利用した免疫反応は体液性免疫(たいえきせいめんえき)とよばれます。
抗体の関わる免疫反応の利用
私たちの生活には、抗体を作り出す仕組みや抗原抗体反応を利用した技術が利用されていることがあります。いくつか具体例を挙げてみましょう。
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