
3分で簡単「抗原」と「抗体」!現役講師が簡単にわかりやすく解説します!
免疫を学ぶ上で欠かすことのできない用語ですが、病気などの流行があるとテレビなどでも盛んに聞くようになるキーワードです。病原体が侵入したとき、我々の体内で何が起こっているのか…基本だけでも確実に理解しておきたい。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。
- 抗原と抗体
- 抗原
- 抗体
- 抗体の関わる免疫反応の利用
- 予防接種とワクチン
- 抗体検査
- 免疫の学習は生きていくうえで必須!
この記事の目次

ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
抗原と抗体
「抗原(こうげん)」と「抗体(こうたい)」は、生物の体を守る生体防御機構の一つである”免疫”に関連する用語です。一言でご説明すると、抗原は体内に侵入してきた病原体などを、抗体はその抗原に結合するタンパク質のことを指します。
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抗原
私たちの体には、日々いろいろな細菌やウイルスなどの病原体が侵入してきます。からだに害をなさないものであればいいのですが、病気や体調不良の原因となるものも少なくありません。生物の体には、そういった病原体を退けるための防御システム=免疫が備わっており、免疫反応を引き起こす病原体などが抗原とよばれます。
そうですね。アレルギー反応のように、本来であれば体にとって無害な物質を抗原として認識してしまうと、困ったことになります。特定の食べ物が食べられなくなる食物アレルギーも同様です。自己免疫疾患とよばれるような病気では、「自分自身の細胞を抗原と認識してしまう」ことが要因となって引き起こされると考えられています。

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抗原が侵入してくると、それを認識した白血球が免疫反応を開始します。白血球は免疫反応を担う中心的な存在。その構造やはたらきなどが異なる、複数種類の血球がまとめて白血球とよばれています。
病原体を食べてしまうことで排除する(食作用をする)好中球やマクロファージ、ひとまとめにして「リンパ球」ともよばれるT細胞やB細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)などがありますが、このうち、次の「抗体」に深く関係しているのはB細胞です。
抗体
抗体はリンパ球の一種であるB細胞が活性化した、形質細胞によって産生されるタンパク質です。「免疫グロブリン(immunoglobulin)」や、その頭文字をとった「Ig」、ときには「ガンマグロブリン」とよばれることもあります。
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