端的に言えば「アンニュイ」の意味は「退屈」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「アンニュイ」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/タビビト
現役の文学学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で日本語を分かりやすく解説していく。
「アンニュイ」の意味は?
「アンニュイ」には、次のような意味があります。
ものうい感じであること。また、そのさま。倦怠。「アンニュイな午後」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「アンニュイ」
「アンニュイ」は、なんとなく意味は分かるけど詳しいことはよく分からないという人が大半なのではないでしょうか。雰囲気や繊細な心理を表現するので、意味がなかなか曖昧ですよね。
「アンニュイ」は主に心理的な面で憂鬱な気持ちになることやのんびりしてやる気の出ないことを表現する言葉です。朝から雨が降っている時や気が進まないことをするときなどは、気分が上がらずに倦怠感が増しませんか?「アンニュイ」はそんな憂鬱な気分を表現する言葉なのでネガティブなものと捉えられやすいですが、実は「神秘的」や「ミステリアス」という意味で褒め言葉として用いる場合もあります。
「神秘的」なものや「ミステリアス」なものというのは、社会生活からどこか超越した不思議な雰囲気を持ったものですよね。憂鬱というとネガティブな表現になってしまいますが、憂鬱を通り越すとどこか別世界にいるような「神秘的」で「ミステリアス」という魅力的な物へと変貌します。この「神秘的」という面での「アンニュイ」は、主に儚げな美しい人を表現する際に用いることが多いです。
「アンニュイ」の語源は?
image by iStockphoto
次に「アンニュイ」の語源を確認しておきましょう。
「アンニュイ」はカタカナで外来語なので語源は英語というイメージが強いかもしれませんが、実はフランス語に由来する言葉です。フランス語で「物憂いげな様子」や「倦怠感」を表現する「Ennui」を日本ではそのまま「アンニュイ」と読んで用いています。日本語での「アンニュイ」は誉め言葉としてポジティブに用いることもありますが、フランス語での「Ennui」は退屈な状況ややる気のない人などネガティブなニュアンスでのみ用いられているようです。
\次のページで「「アンニュイ」の使い方・例文」を解説!/