世界史

5分で分かる「大航海時代」航路開拓の背景や植民地化の流れを元大学教員が開設

よぉ、桜木建二だ。ポルトガルとスペインが先陣を切った大航海時代。中国の先にある日本は莫大な富が眠る黄金の国と考えられていた。東方を目指したところアメリカに到達したことは有名な話だ。探検の目的はオスマン帝国が支配する地中海を経由せずにスパイスを手に入れること。

当時のアジアの位置づけや、アメリカ大陸に到達する経緯など、世界史に詳しいライターひこすけと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/ひこすけ

アメリカ文化を専門とする元大学教員。大航海時代は、香辛料をめぐる貿易戦争、キリスト教の布教、アメリカの植民地化など、さまざまな歴史的出来事とリンクする。そこで大航海時代におけるヨーロッパの勢力拡大の経緯について調べてみた。

大航海時代とは?

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大航海時代とは、15世紀から17世紀にかけてヨーロッパ諸国があたらしい航路を開拓するために積極的に海に出た時代のこと。ヨーロッパ世界あるいはキリスト教世界を拡大させ、アジア、アフリカ、南北アメリカの植民地化を加速させていきました。

ヨーロッパ人による航路開拓が行われた時代

大航海時代の初期を牽引したのがポルトガルとスペイン。ふたつは勢力的にライバル関係にありました。そこで両国は、それぞれがスポンサーとなり探検隊に多額の資金を提供。それを元手にコロンブスのような探検家が海を渡ったのです。

スペインとポルトガルの勢いがなくなったあとは、オランダ、イギリス、フランスが大航海時代を牽引しました。当初は、金銀などの財宝を見つける、輸出・輸入のルートを開拓する、キリスト教の布教拠点を構築することが目的。それが徐々に、植民地として特定のエリアを支配するようになりました。

大航海時代で「発見」という言葉はNG

大航海時代について話すとき、これまで知られていなかったものを「発見」したという前提がありました。ここで「発見」という言葉を使うと、ヨーロッパの探検家が上陸する前から、その地で暮らしていた先住民の存在を無視することに。「発見」という表現は、ヨーロッパ側の目線によるものであり適切ではありません。

そのため現在は、大航海時代について語るとき「発見」と言うことはNG。アメリカ大陸に向かう航路を開拓した、インド洋をまわる航路を開拓したと表現されることが増えてきました。もしくは、勢力を拡大させたという意味で、ヨーロッパ世界の拡大と言うことも増えてきました。

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学校で学ぶ世界史は基本的に欧米の目線から書かれたものだ。歴史は年表のように直線的に記述されることが多い。そうすると、現実には存在しているが、歴史として記されてないものがたくさん出てくる。書かれていないものの存在を意識することも、歴史を学ぶうえで大切なことだ。

大航海時代をもたらしたのは輸出・輸入の促進

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大航海時代は、探検家の夢とロマンが詰まっているイメージがあります。しかし実際のところは、輸出や輸入の促進を通じて利益を得たいという思惑がありました。輸出入の障壁となっているオスマン帝国の影響を避けるため、アジアに直接行ける海路を開拓するようになります。

アジアの香辛料が一大ブームとなったヨーロッパ

中世のヨーロッパでは肉は炙って食べるのが基本。調理方法のバリエーションはそれほど豊富ではありませんでした。そのようななか、ハーブや香辛料を多用する肉料理が大ブームになります。そこでニーズが高まったのがアジアの香辛料でした。

人気があった香辛料は、コショウ、ターメリック、ナツメグ、シナモンなど。香辛料を肉にすりこんで焼いたり、そのままなめたりしました。香辛料はアジアにある楽園のスパイスと考えられ、その刺激が楽しまれたのです。

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