

端的に言えば一事が万事の意味は「些細な点が全てを表す」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
編集経験も持つ雑誌系のライターを10年経験したコトバアソビを呼んだ。一緒に「一事が万事」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/コトバアソビ
情報マニアの収集癖があるライター。会社勤めをしていたとき、日々着実に細かなミスを繰り返すことから、よく上司から「コトバアソビ君!君は一時が万事ということを知っているかね!」と説教されていた。一時が万事は「一万字書け」に見えてしまうライターの習性が抜けない。
「一事が万事」の意味は?
「一事が万事」は、次のような意味で使われています。
1.一つの事を見るだけで、他のすべての事がおしはかられる。
2.一つの小さな事でも、ひいては万事その調子になるということ。
出典:精選版 日本国語大辞典「一時が万時」
「一時が万事」とは、1つの所作や行動、結果などによっても、ものごとの全体に現れる意味の言葉です。この慣用句には「小さなこともおろそかにするな」という警告も含みます。
一時が万事は生活態度などを直すため、あるいは失敗を戒めるとき、もしくは忠告するときに使う言葉です。この「一事が万事」は座右の銘としてもよく使います。
「一事が万事」の語源は?
続いて「一事が万事」の語源を確認しておきましょう。
諸説はありますが、古来中国では位の高い人にはそれらしくふるまうことが求められました。人間の細かい礼儀や作法も地位の高い人には必要とされたことが由来です。日本に伝わったときには「見た目でものごとを判断する基準」として、多くのケースでは人を戒める警告の意味を持つ言葉でした。
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