
「頭が下がる」は褒め言葉?
「頭が下がる」は一般的に褒め言葉と言えます。例外として皮肉に使用される場合もありますが、それは「頭が下がる」だけに限らず、どのような褒め言葉でも当てはまることです。
ただし、良い意味であるからと言って誰が相手でも使って良いというわけではありません。「褒める」という行為はそもそも目上の人が下の立場の人に行うことであるため、「頭が下がる」に限らず褒め言葉は使いどころに注意しましょう。特にビジネスのシーンなどでは、緊張からパニックになると「とにかく褒め言葉を使っておけば問題ない」と考える人も居ますが、そういう時こそ落ち着きが重要です。
「頭が上がらない」とは?
「頭が上がらない」という言い回しもあります。一見「頭が下がる」と同様の意味にも取れますが、「頭が上がらない」は意味が異なるので注意が必要です。
「頭が上がらない」は「引け目を感じ対等に振る舞えない」と「病気が重く起きられない」という2つの意味があります。後者は物理的に頭が上げられない様であり、「頭が下がる」と明らかに意味が異なるため、覚えやすいでしょう。前者は「頭が下がる」と同様に気持ちの例えですが、「頭が上がらない」は相手を褒めるのではなく、「自分が下に見られるべき存在であると自覚している」という気持ちの例えです。
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「頭が下がる」の類義語は?

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「頭が下がる」の類義語は、「恐れ入る/尊敬する/一目置く/敬意を表する」などです。単語と言うよりは、動詞との置き換えが多くなります。また、このように類義語を並べて改めて読むと、目上の人に対して使いにくい表現が多いこともわかるでしょう。
なお、「頭が下がる」のそもそもの意味は「敬服・感服する」になりますが、そもそも厳密には敬意と感心は別のものです。そのため置き換えの際は、敬意と言う意味で使用しているのか感心と言う意味で使用しているのかの判断も注意が必要になります。
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「頭が下がる」の英訳は「head down」ではない?
「頭が下がる」の英訳は「take off my hat」です。直訳すると「帽子を取る」という意味になりますが、海外では相手に礼節を表すとき、お辞儀よりも被っている帽子を下ろし軽く礼をする動作が一般的になります。そのことから、「敬意を表す」という慣用句が「帽子を取る」という意味を表す言い回しになりました。
「頭が下がる」と検索すると「head down」とも出てきますが、これは間違いではないものの、実際に頭を下げる様子を表した言葉です。敬意について述べているわけではないため、注意してください。
自然な気持ちで使いたい「頭が下がる」
「頭が下がる」とは敬服や感服を表す言葉です。目上の人に対しての使用は、状況によって避けた方が良いというものの、一般的に相手に対する褒め言葉であることには違いありません。
褒め言葉にもいろいろなものがありますが、相手に対して敬意を払うことは人生においてとても重要なこと。「頭が下がる」を使用する時は、建前や立場などから無理して言葉を出すのではなく、できれば自然な気持ちで使いたいものです。