この記事では「薬が効く」について解説する。

端的に言えば薬が効くの意味は「効き目があること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本語学を中心とし、文学・語学を専門的に学んでいるライターを呼んです。一緒に「薬が効く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/イオリ

日本語学を専門に学び、趣味は読書と小説執筆という日本語漬けの毎日を送るライター。日本語オタクとして言葉の意味や内容、その面白さを丁寧に解説していく。

「薬が効く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「薬が効く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「薬が効く」の意味は?

「薬が効く」には、次のような意味があります。

人に与えた忠告や注意の効果があらわれること。

出典:ことわざ辞典ONLINE「薬が効く」

病気をしたり具合が悪くなったりしたとき、薬を飲んで対処することがありますよね。薬にはそれぞれ種類があり、頭痛や咳、風邪など色々な苦痛を取り除けます。飲むだけでなく患部に直接塗るタイプ、貼るタイプなどもあり、治療法も含め色んなものがあるのが特徴です。つらい原因となっているものを取り除けたとき「この薬は効く」などとと言いますが、この言葉を比喩的に利用して「忠告や注意の効果があらわれる」という意味で表現することもできます。この場合、実際に薬を飲むわけではありません。行為から派生して比喩的な意味になったというわけですね。

あまり日常的に使う言葉ではないかもしれませんが、文章に深みを与えられる慣用句でもあります。一度ここで詳しく見ていきましょう。

「薬が効く」の語源は?

次に「薬が効く」の語源を確認しておきましょう。

先ほども少し触れましたが、ここで紹介する比喩的な意味の「薬が効く」の元は「薬を飲み、その効果が反応として体に作用する」という実際の行為にあります。そのため、語源もここにあると言ってよいでしょう。

また、現在の薬のイメージは化学的なものかもしれませんが、「薬」には本来「不思議なもの」「特別な能力をあたえるもの」といった意味があり、命にとって特別な力を持つものとされていました。そのため、「不思議だ」「神秘的だ」という意味の形容詞「奇し(くすし)」と同源ではないかとも言われています。

\次のページで「「薬が効く」の使い方・例文」を解説!/

「薬が効く」の使い方・例文

「薬が効く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼もあんなに頑固な性質だったのに先生に説教されたあとはすっかり大人しくなって、薬が効いたようだ。
2.そんなに工夫する必要はないと思っていたんだが、教授からの説得の薬が効いたよ。
3.もう彼に言うことは言ったのだし、時間をかけて薬が効くまで待つしかない。

3つの例文を見て、どれも実際の製薬が機能しているわけではないということがわかるでしょうか。1の例文は「先生の説教」、2の例文は「教授からの説得」、3の例文は「彼への言葉」が比喩的に「薬」として扱われています。何か経験やアプローチというような広い意味ではなく、「人からの忠告や注意」といった言葉がキーワードとなっていることも特徴ですね。

また「薬が効く」の使い方を考える上で、「実際の薬」の特徴を想像すると思いつきやすいかもしれません。たとえば「服用してから症状が変化するまで時間がかかる」「健康なときにはあまり飲まない」「副作用がある」など…ほかにも様々思いつきますが、この特徴を比喩的な慣用句の「薬が効く」に応用してみると、使い方の幅を広げていくことができそうです。

「薬が効く」の類義語は?違いは?

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では次に「薬が効く」の類義語を見ていきましょう。意味は「忠告や注意の効果があらわれること」でしたね。

「実を結ぶ」

これは「みをむすぶ」と読み、「努力の結果が現れ、成功する」という意味を持った慣用句です。「人の言葉によって結果として相手に効果があらわれる」という意味がある「薬が効く」とは類義語と言えそうですね。「実を結ぶ」は元々「植物の実がなる」という意味があり、それが比喩的に使われているという側面もあるため、この点も「薬が効く」と似ています。

気を付けておきたい相違点としては、ニュアンスの違いにあるでしょう。「薬が効く」の意味にある結果は「効果があらわれること」ですが、「実を結ぶ」の意味にある結果は「成功すること」です。つまり「薬が効く」にははっきりと成功というニュアンスは存在しないということですね。「薬が効く」にも基本的には説得の結果改心するなど良い方向性の意味がありますが、「実を結ぶ」ほどのポジティブなニュアンスは含まないため、気を付けておきましょう。

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「薬が効く」の対義語は?

類義語を確認したところで、次は「薬が効く」の対義語を見ていきましょう。

「薬が効きすぎる」

一見「薬が効く」をただ言い換えた言葉ですが、これ自体もしっかり慣用句として成り立っている言葉なのです。意味は「仕置き、忠告などの効果がありすぎて、かえって逆の結果になってしまうこと」で、「薬が効く」の意味とも繋がっていることがわかりますね。薬の成分が強すぎたり薬の治癒力が高すぎたりして、体内によくない影響を及ぼしてしまうことがある、といったような実際の薬の特徴を、この慣用句も同様に活用していることがわかります。

その文脈にもよりますが、「薬が効く」よりこちらの「薬が効きすぎる」の方が使用頻度が高く、使い勝手のいい慣用句であるとも言えるかもしれません。二つとも意味をしっかりと押さえておきましょう。

「薬が効く」の英訳は?

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では最後に、「薬が効く」の英訳を見ていきましょう。

「the effect of a person's advice appears」

これは直訳すると「人のアドバイスにより効果が表れる」といった文章になります。つまり「薬が効く」の意訳というわけですね。英語の場合は「薬が効く」をそのまま英語に直してしまうと単に「薬が体に作用する」といった物質的な意味しかあらわすことができなくなってしまいます。この記事で解説したような慣用句の「薬が効く」の意味は押さえられていないため、注意しておきましょう。薬=アドバイスと置き換えるとわかりやすいかもしれませんね。

「薬が効く」を使いこなそう

この記事では「薬が効く」の意味・使い方・類語などを説明しました。

実際の薬を服用するという行為が元になり、「忠告や注意の効果があらわれること」という比喩的な意味を表す慣用句でした。誰かからの言葉を薬と見なした慣用句であって、必ずしも成功やいい結果をまねくわけではないというところもポイントです。

細かい使い方のニュアンスや意味の中心をしっかり押さえておいて、上手に言葉を使っていきましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「薬が効く」の意味や使い方は?例文や類語を日本語オタクライターがわかりやすく解説!

この記事では「薬が効く」について解説する。

端的に言えば薬が効くの意味は「効き目があること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本語学を中心とし、文学・語学を専門的に学んでいるライターを呼んです。一緒に「薬が効く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/イオリ

日本語学を専門に学び、趣味は読書と小説執筆という日本語漬けの毎日を送るライター。日本語オタクとして言葉の意味や内容、その面白さを丁寧に解説していく。

「薬が効く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「薬が効く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「薬が効く」の意味は?

「薬が効く」には、次のような意味があります。

人に与えた忠告や注意の効果があらわれること。

出典:ことわざ辞典ONLINE「薬が効く」

病気をしたり具合が悪くなったりしたとき、薬を飲んで対処することがありますよね。薬にはそれぞれ種類があり、頭痛や咳、風邪など色々な苦痛を取り除けます。飲むだけでなく患部に直接塗るタイプ、貼るタイプなどもあり、治療法も含め色んなものがあるのが特徴です。つらい原因となっているものを取り除けたとき「この薬は効く」などとと言いますが、この言葉を比喩的に利用して「忠告や注意の効果があらわれる」という意味で表現することもできます。この場合、実際に薬を飲むわけではありません。行為から派生して比喩的な意味になったというわけですね。

あまり日常的に使う言葉ではないかもしれませんが、文章に深みを与えられる慣用句でもあります。一度ここで詳しく見ていきましょう。

「薬が効く」の語源は?

次に「薬が効く」の語源を確認しておきましょう。

先ほども少し触れましたが、ここで紹介する比喩的な意味の「薬が効く」の元は「薬を飲み、その効果が反応として体に作用する」という実際の行為にあります。そのため、語源もここにあると言ってよいでしょう。

また、現在の薬のイメージは化学的なものかもしれませんが、「薬」には本来「不思議なもの」「特別な能力をあたえるもの」といった意味があり、命にとって特別な力を持つものとされていました。そのため、「不思議だ」「神秘的だ」という意味の形容詞「奇し(くすし)」と同源ではないかとも言われています。

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