
「加水分解酵素」にはどんなものがある?現役講師が5分でザックリわかりやすく解説します!
酵素の分類と”EC番号”
せっかくですので、加水分解酵素だけでなく、酵素全体の分類についてもご紹介しましょう。
体内ではたらくさまざまな酵素は、その性質から大きく7つのグループに大別されています。各酵素には「EC」から始まる番号(酵素番号:Enzyme Commission number)が決められており、その酵素が7つのグループのどれに当てはまるかは、「EC」に続く文字で判別が可能です。
EC 1.X.X.X 酸化還元酵素(オキシドレダクターゼ)
EC 2.X.X.X 転移酵素(トランスフェラーゼ)
EC 3.X.X.X 加水分解酵素(ヒドロラーゼ)
EC 4.X.X.X 脱離酵素(リアーゼ)
EC 5.X.X.X 異性化酵素(イソメラーゼ)
EC 6.X.X.X 合成酵素(リガーゼ)
EC 7.X.X.X 輸送酵素(トランスロカーゼ)
※Xには各酵素に割り当てられた数字が入る
今回ご紹介した加水分解酵素は、EC3のグループです。いずれの酵素にも、EC3から始まる番号が定められています。

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EC番号や酵素のグループを覚えておくと、学習の際に役立つことがあります。たとえば、インターネットなどで記事を検索すると、加水分解酵素は「EC3群」などという名称で紹介されていることがあるんです。似たような作用をもつ酵素が同じグループになっているので、色々な酵素を系統的に勉強するヒントにもなります。
加水分解酵素以外にはどんな酵素が存在し、体内で利用されているのか、探索してみるのも面白いですよ。
生物学以外でも重要な”加水分解酵素”
今回ご覧いただいた通り、多くの消化酵素の正体は、加水分解酵素です。加水分解酵素について理解を深めることは、生物学だけにとどまらず、栄養学や薬学などの学習でも必要になります。
酵素の名前・具体例を覚えるだけでなく、体内で行われている「加水分解」という化学反応をしっかりとおさえておきましょう。