
「加水分解酵素」にはどんなものがある?現役講師が5分でザックリわかりやすく解説します!

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聞いたことのある酵素の名前、ありませんか?それぞれ、「分解する物質の名前の初め+ase」という命名のルールがみえてきますね。
タンパク質加水分解酵素
タンパク質を加水分解する酵素は、まとめてプロテアーゼ、もしくはプロテイナーゼともよばれます。
タンパク質は、たくさんのアミノ酸が結合してできている高分子=ペプチド(とくに分子の大きなものはポリペプチドとよぶ)です。アミノ酸同士はペプチド結合でつながっているため、タンパク質加水分解酵素は、このペプチド結合を切る酵素だと言い換えることができます。
よく名前の知られているものをあげましょう。

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ペプシン(pepsin)…タンパク質をペプチドに分解する。胃ではたらき、タンパク質(肉や魚)を消化するのに役立つ。
トリプシン(trypsin)…タンパク質をペプチドにに分解する。膵液に含まれる。消化を助ける。
ナットウキナーゼ(nattokinase)…納豆に含まれる。フィブリンを分解する作用が知られている。
ペプシンやトリプシンは、多くの加水分解酵素とちがい、名前に「-ase」がついていません。これは、酵素の命名を統一しようとする以前に発見され、すでに広く知られた名称だったため、その変更されずに名前が使われているのです。歴史のある酵素、ということになりますね。
リパーゼ(lipase)…脂質を脂肪酸とグリセリンに分解する。脂質の消化を助ける。
ATP分解酵素
ATP分解酵素(ATPアーゼ)は、ATPを分解し、ADPとリン酸にする反応を促進します。この反応で放出されるエネルギーを、私たちの細胞は利用しているのです。
ATP分解酵素がなければ、ご飯を食べても細胞がエネルギーをつかえない、ということになってしまいます。とても大切な酵素ですね。
ATP分解酵素(ATPase)…ATP(アデノシン三リン酸)を、ADP(アデノシン二リン酸)とリン酸に分解する。
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