この記事では「ステークホルダー」について解説する。

「ステークホルダー」はビジネス用語です。人によっては、一度も聞いたことがないという場合もあるでしょう。同時に、聞いただけでは意味が推し量りにくい言葉でもある。

元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「リノベーション」の意味や語源、言い換えなどを見て、しっかり意味を押さえてくれ。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「ステークホルダー」ってどんな意味?使い方は?

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「ステークホルダー」とは以下のような意味です。

ステークホルダー(英: stakeholder)とは、企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者を指す。日本語では利害関係者(りがいかんけいしゃ)という。

出典:Wikipedia 「ステークホルダー 意味」

「ステークホルダー」と言われると戸惑ってしまうかもしれませんが、「利害関係者」と言われるとすんなり頭に入ってくると思います。

「ステークホルダー」の指す範囲は?

「ステークホルダー」の指す範囲は、人によってまちまちです。同じ会社の人であっても、受け取り方が違えば「利害関係者」とみなす範囲が変わってきます。「ステークホルダー」の該当範囲とは常に一定したものではなく、そのときその人によって少しづつ変わるものなので、「ステークホルダー」について話すときは意見のすり合わせが重要です。

実は定義づけされている「ステークホルダー」

「ステークホルダー」の範囲は、定義があります。以下の引用を見てください。

ステークホルダーの概念は、1963年にアメリカ・SRIインターナショナルの内部のメモで初めて使われた。そこでは、ある組織にとってのステークホルダーを「そのグループからの支援がなければ、当該組織が存続し得ないようなグループ」と定義していた。この理論は後に1980年代になってから、R・エドワード・フリーマン(R. Edward Freeman)によって展開され、主唱されるようになった。

出典:Wikipedia 「ステークホルダー 意味」

\次のページで「「ステークホルダー」の使い方」を解説!/

この定義から言うと、「ステークホルダー」とは支援と存続が密接に結びついていることがわかります。なくてはならない存在と捉えておけば間違いありません。

「ステークホルダー」の使い方

「ステークホルダー」は以下のように使います。

1.わが社の理念は「ステークホルダー」へのベネフィットを第一にすることだ。
2.この計画の説明を「ステークホルダー」に向けて行うつもりだ。
3.社内システムの刷新について「ステークホルダー」の意見を集めたい。

いずれの例も「関係者」「利害関係者」と置き換えると分かりやすいです。ただし2や3の例にあるように、「ステークホルダー」は「どの組織の」という点がしばしば省略されます。誰にとっての「ステークホルダー」なのか?という点は常に意識してください。

沢山ある!「ステークホルダー」が絡むビジネス用語

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「ステークホルダー」は、「ステークホルダー」という単語だけで十分意味をなす言葉です。しかし、「ステークホルダー」の後に他の単語を組み合わせ、複合的な単語となったビズネス用語もあります。代表例を紹介しますので参考にしてください。

その1「ステークホルダー資本主義」 

「ステークホルダー資本主義」の意味は以下です。

ステークホルダー資本主義とは、企業の活動に関わるすべてのステークホルダーとの関係を重視し、企業活動を通してステークホルダーへの貢献をめざす長期的な企業経営のあり方をいいます。

出典:日本ノハム協会 SDGs用語集「ステークホルダー資本主義 意味」

資本主義とは資本主義経済のことを指しています。企業が利益を追い求めることが推奨されている経済環境のことです。これと「ステークホルダー」を組み合わせ、「ステークホルダー」に対する利益を追い求める姿勢、という意味になります。当然のことを言ってるように聞こえますが、「ステークホルダー」の中には従業員なども含まれているのです。つまり、客の利益だけを追求するわけではなく、一緒に働く人間の利益も考えるということになります。

\次のページで「その2「ステークホルダーエンゲージメント」 」を解説!/

その2「ステークホルダーエンゲージメント」 

「ステークホルダーエンゲージメント」とは、以下のような意味です。

ステークホルダー・エンゲージメントとは、企業が複数のステークホルダー(=企業の活動にかかわり、サービスやプロダクト等の影響を受ける人)の意見を自社のガバナンスや意思決定に反映させるプロセスのこと。

出典:IDEAS FOR GOOD「ステークホルダーエンゲージメント 意味」

「エンゲージメント」とは、「誓約」「約束」といった意味の言葉です。転じて、「従う」というニュアンスを持っています。これに「ステークホルダー」を組み合わせると、「利害関係者に従う」という意味になるわけです。企業が「ステークホルダー」を従えるのではなく、企業が「ステークホルダー」に従う。すなわち、「ステークホルダー」の意見を取り入れ、「ステークホルダー」の望む方向に進むということです。 

その3「ステークホルダーマネジメント」

「ステークホルダーマネジメント」とは、以下のような意味です。

ステークホルダーマネジメントの意味は、企業やプロジェクトに関する「利害関係者」を「管理」することです。

出典:識学総研「ステークホルダーマネジメント 意味」

「マネジメント」とは管理という意味なので、合わせて「利害関係者の管理」ということになります。「ステークホルダーマネジメント」は、企業というよりももう少し小さい組織として、プロジェクト単位で使用されることが多いです。「ステークホルダーマネジメント」の目的は、一人一人の抱えている問題や意識を明確にし、業務をスムーズに回すこと。そのため、会社基準の「ステークホルダー」はあまりにも数が多すぎ、管理しきれません。

その4「ステークホルダーマップ」 

「ステークホルダーマップ」の意味は以下です。

\次のページで「「ステークホルダー」の類義語は? 」を解説!/

ステークホルダーマップとは、プロジェクトを取り巻く人や組織とその関係性を図式化したものです。

出典:株式会社Quest コラム「ステークホルダーマップ 意味」

「ステークホルダーマップ」の目的は、各自の関係の明確化。および利害のチェック漏れがないかの確認です。仕事の規模が大きくなればなるほど、「ステークホルダー」の範囲は広がり、複雑化していきます。そこで確認を怠ると、トラブルが起きたさいに問題点がどこにあるのかわからりません。結果として対応に時間を要したり、そもそも対応方法を間違ってしまったりします。

「ステークホルダー」の類義語は? 

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「ステークホルダー」の類義語は基本的に「利害関係者」に集約されます。もう少し解釈の範囲を広げると、「顧客」「株主」「従業員」など具体的な例が該当することもありますが、ケースとしては少ないです。

「利害当事者」「利害共有者」「顧客」「株主」など

「ステークホルダー」の類義語を下に示します。

1.利害関係者/利害共有者/利害当事者/利害関係人
2.顧客/株主/従業員/投資家/取引先/地域住民/地域社会

1に上げられる言葉は、どれも微々たる違いであり、「利害関係者」と意味が変わらないことが分かります。

2には広義の解釈として「利害関係者」の代表例をあげました。「顧客」「取引先」など一般的な客先だけでなく、「従業員」など自分の企業に属するグループが入っていることに注意してください。また、「地域住民」など直接取引していないグループも属します。いずれにせよ、範囲はケースバイケースで変化しますので、その都度の確認が重要です。

「ステークホルダー」のニュアンスを持つ言い換えはない?

「ステークホルダー」の類義語は上記の通りとなります。しかし、2の語群はやはり厳密な定義に基づいているとは言い難く、あくまで広義の解釈の言葉です。また、1の語群の言葉は意味が変化しませんので、類義語としては「利害関係者」だけが相応しいと取る事もできます。

使わないとわからない「ステークホルダー」

「ステークホルダー」は馴染みのない人には、耳慣れず難しそうな言葉に聞こえるかもしれません。しかし読み書きして自分で使っていると、非常に便利で色々な場面で使いやすい言葉であることが、感覚的にわかってくると思います。よくわからないし難しそう、と敬遠せずに、ぜひ本記事を参考にして使ってみてください。

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国語言葉の意味

ビジネスでよく耳にする「ステークホルダー」意味知ってる?使い方や類義語を言葉大好きライターが徹底わかりやすく解説!

ステークホルダーマップとは、プロジェクトを取り巻く人や組織とその関係性を図式化したものです。

出典:株式会社Quest コラム「ステークホルダーマップ 意味」

「ステークホルダーマップ」の目的は、各自の関係の明確化。および利害のチェック漏れがないかの確認です。仕事の規模が大きくなればなるほど、「ステークホルダー」の範囲は広がり、複雑化していきます。そこで確認を怠ると、トラブルが起きたさいに問題点がどこにあるのかわからりません。結果として対応に時間を要したり、そもそも対応方法を間違ってしまったりします。

「ステークホルダー」の類義語は? 

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「ステークホルダー」の類義語は基本的に「利害関係者」に集約されます。もう少し解釈の範囲を広げると、「顧客」「株主」「従業員」など具体的な例が該当することもありますが、ケースとしては少ないです。

「利害当事者」「利害共有者」「顧客」「株主」など

「ステークホルダー」の類義語を下に示します。

1.利害関係者/利害共有者/利害当事者/利害関係人
2.顧客/株主/従業員/投資家/取引先/地域住民/地域社会

1に上げられる言葉は、どれも微々たる違いであり、「利害関係者」と意味が変わらないことが分かります。

2には広義の解釈として「利害関係者」の代表例をあげました。「顧客」「取引先」など一般的な客先だけでなく、「従業員」など自分の企業に属するグループが入っていることに注意してください。また、「地域住民」など直接取引していないグループも属します。いずれにせよ、範囲はケースバイケースで変化しますので、その都度の確認が重要です。

「ステークホルダー」のニュアンスを持つ言い換えはない?

「ステークホルダー」の類義語は上記の通りとなります。しかし、2の語群はやはり厳密な定義に基づいているとは言い難く、あくまで広義の解釈の言葉です。また、1の語群の言葉は意味が変化しませんので、類義語としては「利害関係者」だけが相応しいと取る事もできます。

使わないとわからない「ステークホルダー」

「ステークホルダー」は馴染みのない人には、耳慣れず難しそうな言葉に聞こえるかもしれません。しかし読み書きして自分で使っていると、非常に便利で色々な場面で使いやすい言葉であることが、感覚的にわかってくると思います。よくわからないし難しそう、と敬遠せずに、ぜひ本記事を参考にして使ってみてください。

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