
端的に言えば暗澹たる思いの意味は「暗い気持ち」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「暗澹たる思い」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ヒマワリ
今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「暗澹たる思い」についてわかりやすく丁寧に説明していく。
「暗澹たる思い」の意味や語源・使い方まとめ

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「暗澹たる思い」は「あんたんたるおもい」と読みます。日常会話ではなかなか使われない言葉ですが、心情を表現する言葉ですので、小説などで目にしたことがあるかも知れません。語彙力向上のためにも、覚えておいて損はないでしょう。それでは早速「暗澹たる思い」の意味や語源・使い方を見ていきます。
「暗澹たる思い」の意味は?
まず初めに「暗澹たる思い」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「暗澹たる思い」には、次のような意味があります。
1.見通しが暗く、前途に希望が持てない様子。
出典:新明解国語辞典(三省堂)「暗澹たる思い」
「暗澹(あんたん)」は、「暗」と、静かと言う意味を持つ「澹」の、二つの漢字から成っています。意味は、薄暗くどんよりとしている、と言うことです。それに、気持ちを表現する「たる思い」を付して、気分が晴れないさまや、どんよりと沈んだ心情を表す慣用表現になりました。意味合いとしては、将来に希望が持てない、先行きが暗い、と言うような状況にふさわしいでしょう。
「暗澹たる思い」の語源は?
次に「暗澹たる思い」の語源を確認しておきましょう。先ほども少し説明しましたが、「暗澹」は「暗」と「澹」と言う漢字から成っていますね。「暗」は、暗がりを意味し、「澹」は、静か、の他にも、薄い、はっきりしないと言う意味も持っています。
このように、元々「暗澹」は暗くはっきりしない、と言う意味でした。そして、物事が不明瞭で暗いと言うことから転じて、将来が不安な事を表すようになったのです。
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