
スイートピー

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スイートピーには花の色素の材料を作る遺伝子Cと、色素の材料から色素を作りだす遺伝子Pがあります。Cはそれ単体では色素を作り出すことができず、必ずPの遺伝子が必要です。つまり、CCppやCcppという遺伝子型では花の色は白くなります。花に色を付けるためにはCcPpやCCPPなどのようにCとPが揃っている必要があるのです。
抑制遺伝子
2対の対立遺伝子のうち、ある優性形質がもう一方の優性形質の発現を抑え込んでしまう遺伝子を抑制遺伝子と呼びます。ここではカイコのマユを例に解説しますね。
カイコのまゆ
カイコのマユの色には黄色と白色があります。マユを黄色にする遺伝子Yはその作用を抑制する遺伝子Iがあると発現することができず、マユは白くなってしまうのです。
身の回りの不完全優性による遺伝を探してみよう
不完全優性とは対立形質にはっきりとした優劣がないためメンデルの法則に従わない遺伝のメカニズムのことです。不完全優性には中間雑種・致死遺伝子・複対立遺伝子・補足遺伝子・抑制遺伝子があります。身近な例を挙げるとすれば、ABO式血液型やマルバアサガオの花の色については不完全優性でしたね。
今回挙げた例以外にも牛の毛並みや鶏の羽の色、オシロイバナも不完全優性によるものです。他にも致死遺伝子については馬の体色に関する遺伝子にもあります。私達の身の回りには他にどのような不完全優性の形質があるでしょうか。意外とすぐ身近にあるかもしれませんね。
イラスト使用元:いらすとや