
「雀百まで踊り忘れず(すずめひゃくまでおどりわすれず)」
若い頃に身につけた癖は年をとっても直らない様子を表す言葉です。
若い頃と今とで変化がない様子を表す点は「昔取った杵柄」と同じですが、こちらは悪い意味で使う表現という点に注意が必要。褒め言葉のつもりで「部長のデザインセンスはさすが美大出身だけのことはありますね、雀百まで踊り忘れずですね」などと使うと怒られてしまうかもしれませんよ。
・キャッチボールなんて何十年ぶりだろう。野球部にいたとはいえ、昔の勘を取り戻すには時間がかかりそうだよ。
・雀百まで踊り忘れずとはいうが、学校をさぼってばかりいた兄がいくつになっても就職もせずふらふらしているのはどうしたものか。
「昔取った杵柄」の対義語は?
次に、「昔取った杵柄」とは反対の意味を表す言葉を紹介します。
「昔千里も今一里(むかしせんりもいまいちり)」
若い頃は優れた能力があったのに、年を取るとそれが衰えてしまう様子を表します。
昔は千里もの長い距離を進めた駿馬も、年老いた今は一里しか歩けないというのが語源。ちなみに「里」は尺貫法における長さの単位で、日本では約3.9kmほどを意味します。運動能力の面で使われることが多い言葉ですが、それ以外の技術や能力の衰えについても使用可能です。
「騏驎も老いては弩馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる)」
「騏驎」は一日に千里も走る駿馬、「駑馬」とは足ののろい駄馬のこと。
1つ目の対義語として紹介した「昔千里も今一里」と同様に、名馬であっても年を取ると駄馬以下になるということから、どんなに優秀な人でも年には勝てず、平凡な人以下になってしまうことを表しています。なお、この「騏驎」は中国の伝説上の動物で大河ドラマのタイトルにも使われた「麒麟」とは字が違う点にお気づきでしょうか。誤って書かれているサイトもありますが、意味を考えると区別がつきますね。
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