
端的に言えば「乖離」の意味は「遠く離れること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「乖離」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/タビビト
現役の現学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で日本語を分かりやすく解説する。
「乖離」の意味は?
「乖離」には、次のような意味があります。
そむきはなれること。結びつきが離れること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「乖離」
「乖離」は「かいり」と読み、物理的な面と精神的な面の両面において離れて遠くなることを表現する言葉です。
「乖離」とは漢字も使い方も難しい言葉なので、日常的に馴染みのあるものではないかもしれません。「乖離」は主に人間関係や思想などの個人的な物から政治や金融などの社会的な物までの幅広い範囲において、ネガティブな関係性や精神状態を表現します。
自らの意思で離れた能動側からの「乖離した」という使い方よりは、自分の過失によって離れられてしまった受動側や第三者側からの視点で「乖離してしまった」という使い方をすることの方が多いです。
「乖離」の語源は?

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次に「乖離」の語源を確認しておきましょう。「乖離」とは、「乖」と「離」という二つの漢字で成り立っているということが分かりますね。語源はこの二つの漢字の意味を繋ぎ合わせて強調したものになります。まず「乖」には「背く」「道理に反する」という意味があり、「離」はそのまま「離れる」という意味です。この二つを繋げると「背き離れること」となりますね。
よって「乖離」は意見や制度の方向性の違いや人間関係の悪化など、繋がっていた心が「背き離れること」を指すということが分かります。単純に「背く」や「離れる」のように単体で用いるよりも、「背き離れる」というように繋げた方がより意味が強調されますね。
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