
3分で簡単「親水コロイド」実は身近なコロイドを理系ライターがわかりやすく解説!
3. 身近な親水コロイド

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疎水コロイドの凝析は浄水場における急速ろ過工程での浄化に活用され、安全安心な水道水の供給に役立てられています。それでは親水コロイドは私たちの生活とどのような関りをもっているのでしょう。以下にその例を挙げてみます。
・豆乳ににがり(主成分MgCl2)を加えることで豆腐になる(塩析)
・墨汁ににかわ(でんぷんの一種)を加えることで安定化する(保護コロイド)
・インクにアラビアゴムを加えることで安定化する(保護コロイド)
・牛乳、豆乳、コーヒー、紅茶、緑茶、ジュース等身の回りの飲み物
・生物の体液
このように見ていくと私たちが日頃飲んでいる飲み物のほとんど、そして私たちの体内を流れる血液も親水コロイドによって形成されていることがわかります。私たちの身の回りの液体のほとんどが親水コロイドにより成り立っていると言っても過言ではないのかもしれませんね。
身の回りに溢れる親水コロイド溶液
コロイド、というと高校化学の中ではちょっとした暗記科目で終わっているかもしれませんね。しかし親水コロイドとして代表的な成分のタンパク質やでんぷんというのは人間、生物にとって不可欠な栄養成分ですから、私たちが日頃摂取している飲み物のほとんどはもちろん私たちの体を流れる血液が多くの親水コロイドで形成されているという点は意外と見過ごされているのです。
「コロイド」を一つの切り口として学問としての化学と日常生活を結びつけ、より多くの学びを得ていって欲しいと思います。