化学原子・元素物質の状態・構成・変化理科

5分でわかる「ラボアジエ」!近代化学の父の壮絶な最後とは?理系ライターがわかりやすく解説

2. ラボアジエの業績

さてそんな18世紀のフランスを生きたラボアジエですが、彼のあげてきた大きく4つにわけることができます。それは四元素(しげんそ)説の打破フロギストン説(熱素説)の打破質量保存の法則の発見、そして『化学物質の命名法』『化学要論』における化学物質の命名法の確立と33元素の提唱です。一つずつみていきましょう。

2-1. 四元素説の打破

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MICCAgo投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

四元素説(しげんそせつ)というのはすべてのものは土・水・空気(風)・火の4つの要素から成り立つという考えで、なんと紀元前の古代ギリシア時代から1700年以上経ったラボアジエの時代でも多くの科学者たちに信じられていたのです。それに疑問をもったのが1768年、当時まだ25歳になったばかりのラボアジエでした。

四元素説を信じる科学者たちは水を長い間沸騰させると沈殿物が生じることから、熱せられた水は土に変わると考えていたのです。そこでラボアジエはガラス容器に入れた水を101日間熱しました。その結果沈殿物は確かに生じたのですが、沈殿物が生じた分だけガラス容器の重さも減っていることに気が付きいたのです。そこから水が沈殿物(土)に変わるという四元素説の矛盾を突くことで、1700年以上も人々が信じてきた常識を覆したのですね。

2-2. フロギストン説(熱素説)の打破

フロギストン説というのはドイツの医師であったゲオルク・エルンスト・シュタールが1697年の著書『化学の基礎』で確立した理論で、燃焼をつかさどる元素としてフロギストン(phlogiston)が存在するということが当時ほとんどの科学者達に信じられていました。フロギストンの考え方を簡単に示すと次のようになります。

金属 → 金属灰 + フロギストン

木炭 →  灰  + フロギストン

金属灰というのは鉄が燃焼して(さびて)酸化鉄になるイメージをもってもらうとわかりやすいと思いますが、ここで大きな疑問がわいてしまいます。それは金属灰がもとの金属よりも重くなる、つまり金属の燃焼ではマイナスの重量のフロギストンが発生するということになるのです。その矛盾に疑問をもったラボアジエは1772年頃から燃焼の実験を始めます。その実験内容は密閉したガラス容器の中で、集光レンズを使ってダイヤモンドとスズをそれぞれ燃焼させたのです。

実験の結果ダイヤモンドとスズどちらの密閉容器も加熱の前後で全体の重さは変わらなかったのですが、スズを加熱した容器のフタを開けたところ金属の中からフロギストンが飛び出すのとは逆に「空気中の何か」をスズが吸収して加熱前よりも重くなりました。こうして「空気中の何か」を証明することで70年以上信じられていたフロギストン説を打破するに至ったのです。

2-3. 質量保存の法則の発見

2-3. 質量保存の法則の発見

image by Study-Z編集部

フロギストン説を覆した時の実験でガラス容器を含む全体の重さがまったく変わらなかったことはまさに質量保存の法則を示していましたが、当時まだ気体の正体は掴みきれていない状態でした。そんな中ラボアジエは1774年にパリを訪問していた気体の研究者で酸素の発見者として知られていたイギリスの化学者プリーストリーと会い話をする機会を得ました。

ラボアジエはプリーストリーとの会話の中で燃焼反応における酸素の重要性に直ちに気が付き、空気が燃焼に役立つ気体(酸素)と燃焼に役立たない気体(窒素)で成り立っているということに気が付きます。そして燃焼や金属さびの生成が酸素との化合つまりは酸化にほかならないことを明らかにしたのです。

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nhryk5738