この記事では「老婆心」について解説する。

端的に言えば老婆心の意味は「必要以上の心配をすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「老婆心」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「老婆心」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「老婆心」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

老婆心」は「ろうばしん」と読みます。日常会話やビジネスシーンでもしばしば使われている言葉ですから、しっかり覚えておくと良いですね。それでは早速「老婆心」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「老婆心」の意味は?

まず初めに「老婆心」の正確な意味を、辞書からの引用で確かめてみましょう。「老婆心」には、次のような意味があります。

1.不必要なまでに人のことについて気を遣い、世話を焼くこと。

出典:新明解国語辞典(三省堂)「老婆心」

2.年とった女性が、度を越してあれこれと気を遣うこと。転じて、必要以上に世話をやこうとする自分の気持ちを、へりくだっていう語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「老婆心」

老婆心」とは、必要以上に心配をして気を遣うと言うことです。普通は、目上の人が、目下の人を心配して気遣う時に使われます。「老婆心だけれども」と、何か忠告や注意をする際に前置きとして使うことで、「もしかしたら心配しすぎかもしれないが」と言う謙遜の気持ちを伝える事ができる言葉です。目下の人が目上の人に使うのにはふさわしくないので、注意してくださいね。

「老婆心」の語源は?

次に「老婆心」の語源を確認しておきましょう。「老婆心」はもともと「老婆心切」と言う言葉でした。「老婆心切」は仏教用語で、おばあさんが子供や孫を慈しみ愛情深く育てるように後輩や弟子を育てよ、と言う教えから生まれた言葉です。仏道で修行するものは、共に励む弟子に対して慈愛の精神で世話をするようにと教えられるのですね。このように、初めは、必要以上に世話をすると言う意味はありませんでした。それが、近代に移り変わりこの「老婆心切」の「切」が省略され、余計な心配と言うニュアンスが含まれるようになったのです。

\次のページで「「老婆心」の使い方・例文」を解説!/

「老婆心」の使い方・例文

それでは、「老婆心」の使い方を実際の例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.老婆心だとは思うが、人生の先輩として一つ忠告させてもらうよ。
2.昔は自分も上司のアドバイスをうとましく思っていたが、いざ自分が上の立場になると老婆心からついつい部下の行動に口出しをしてしまう。
3.あなたに今言ったことは老婆心からの助言ですから、必要がなければ忘れてくださいね。

例文を見て分かるように「老婆心」は、相手の事を思って世話をしようとすることです。普通は年上の人や、経験が豊富な人が、差し出がましいけれども、と言う謙遜の意味合いを持たせつつ世話をしようとする時に使います。注意していただきたいのは、「老婆心」は、思いやりや親切心からの行動に使われるということです。単なるお小言や世話焼きとは違うのですね。相手のためになることと思ってする行動なのです。

また、まぎらわしい点として、「老婆」が入っているために、女性にだけ使う言葉だと勘違いされることがあるのですが、「老婆心」は男性でも女性でも使うことができます

「老婆心」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「老婆心」の類義語には「お節介」が挙げられます。

「お節介」

お節介」の読み方は「おせっかい」です。とても身近な言葉ですから知らない人は少ないでしょう。「お節介」の意味は、ご存知の通り、他人のことに対して余計な世話をやくことですね。

実は「せっかい」とは、すり鉢の溝に入り込んだものをこそげ落とすナイフのような形の道具の名前です。そして、すり鉢の溝のような細かいところまで入り込むさまから、人のことに細かく関わってくるということで「おせっかい」と言う言葉が生まれたと言われています。

必要以上に世話をすると言う意味では「老婆心」の類義語と考えられますね。しかし、「老婆心」との相違点もあります。「お節介」には、される側にとって迷惑であると言うニュアンスが含まれる場合がある点です。また、「老婆心」が善意からのものであるのに対して、「お節介」は純粋な善意からとは限らないでしょう。「お節介」にはこのようにマイナスのイメージがありますから使いどころには気をつけて下さい。

\次のページで「「老婆心」の対義語は?」を解説!/

「老婆心」の対義語は?

「老婆心」の対義語は、「放任」がふさわしいでしょう。

「放任」

放任(ほうにん)」は、物事を成り行き任せにすることや、人に対して干渉せず好きなようにやらせる、ということです。人にあれこれ世話をやかずほったらしにする、と言う場合にも使えますから、思いやりから篤く世話をやくと言う意味の「老婆心」の対義語として使うことができるでしょう。

目下の人には「老婆心」、目上の人には「僭越ながら」

image by iStockphoto

さて、今までの項で「老婆心」は目上の人や、年上の人が、必要以上の気遣いで世話をする時に使う言葉だと紹介しました。では、逆に目下の人、年下の人から気遣いで進言する場合にはどんな言葉を遣えば失礼にあたらないでしょうか

僭越(せんえつ)」と言う言葉があります。「僭越」は、自分の立場を越えて出すぎた行為をする、と言う意味です。そして、この「僭越」を、言葉の初めに前置きとして使うと、差し出がましいとは思いますが、と言う謙遜の気持ちを表現することができます。自分の考えを伝えることは、人間関係においても、ビジネスでも、とても大事なことですね。目上の人に、善意から意見を述べたいときなどには「僭越ながら…」と使えば、謙遜の気持ちを表現しながら自分の考えもきちんと伝えられるでしょう。

「老婆心」を使いこなそう

この記事では「老婆心」の意味・使い方・類語などを説明しました。「老婆心」は、心配をして余計なほどの世話をすること…でしたね。例えば、クラブの後輩、会社の部下や自分の子供、人間は情が深い人ほど過剰に心配をして世話をしたくなるものです。「老婆心」は「情が深い人₌老婆」と言う例えで作られた言葉ですが。確かに、おばあさんは心配をしたり世話をやくのが好きですね。しかし、「老婆心」は性別問わず使うことができます。しかも、前置きとして使えば、忠告やアドバイスを相手に押し付けることなく「心配のし過ぎかも知れないけれども、こうすれば良いと思う。」と伝えることができる、とても便利な言葉です。善意からの控えめなアドバイスをもらうことを嫌がる人は少ないでしょう。自分が上の立場にたった時には是非上手に使ってください。

また、最後の項で紹介した「僭越」と言う言葉も、ビジネスなどで相手とのコミュニケーションをスムーズにしてくれるでしょう。円満な人間関係を築くうえで、言葉はとても大事なものです。シチュエーション、シーンに合った言葉選びをできると良いですね。

" /> 「老婆心」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「老婆心」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「老婆心」について解説する。

端的に言えば老婆心の意味は「必要以上の心配をすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「老婆心」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「老婆心」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「老婆心」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

老婆心」は「ろうばしん」と読みます。日常会話やビジネスシーンでもしばしば使われている言葉ですから、しっかり覚えておくと良いですね。それでは早速「老婆心」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「老婆心」の意味は?

まず初めに「老婆心」の正確な意味を、辞書からの引用で確かめてみましょう。「老婆心」には、次のような意味があります。

1.不必要なまでに人のことについて気を遣い、世話を焼くこと。

出典:新明解国語辞典(三省堂)「老婆心」

2.年とった女性が、度を越してあれこれと気を遣うこと。転じて、必要以上に世話をやこうとする自分の気持ちを、へりくだっていう語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「老婆心」

老婆心」とは、必要以上に心配をして気を遣うと言うことです。普通は、目上の人が、目下の人を心配して気遣う時に使われます。「老婆心だけれども」と、何か忠告や注意をする際に前置きとして使うことで、「もしかしたら心配しすぎかもしれないが」と言う謙遜の気持ちを伝える事ができる言葉です。目下の人が目上の人に使うのにはふさわしくないので、注意してくださいね。

「老婆心」の語源は?

次に「老婆心」の語源を確認しておきましょう。「老婆心」はもともと「老婆心切」と言う言葉でした。「老婆心切」は仏教用語で、おばあさんが子供や孫を慈しみ愛情深く育てるように後輩や弟子を育てよ、と言う教えから生まれた言葉です。仏道で修行するものは、共に励む弟子に対して慈愛の精神で世話をするようにと教えられるのですね。このように、初めは、必要以上に世話をすると言う意味はありませんでした。それが、近代に移り変わりこの「老婆心切」の「切」が省略され、余計な心配と言うニュアンスが含まれるようになったのです。

\次のページで「「老婆心」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: