2-1ナイトロックス
ナイトロックスとは窒素と酸素の混合気体で主にスキューバーダイビングに使用されます。空気に近いものになりますが窒素78%、酸素21%の空気に対してこれよりも酸素の割合を増やしたものがナイトロックスの特徴です。酸素中毒の点から一般的には20mから30mで使用します。ヘリオックスより深度は少ないですが長時間の潜水活動が行えたり酸素と窒素というごく身近なガスを使用するため安価に製造することができるのです。
一見作るのも簡単そうに見えますがガスの製造には国家資格と許可を得た製造施設が必要となり専門的な知識を有するため注意しなくてはいけません。
2-2トライミックス
今まで出てきたヘリオックスとナイトロックスのいいとこ取りをしたような混合ガスがトライミックスです。ヘリオックスの欠点である高圧神経症候群のリスクを避けるために鎮静作用がある窒素を用いることによって貴重なヘリウムを節約できるというメリットもあります。
トライミックスは130m以上の深度で使われていて洞窟や沈船の潜水を行うテクニカルダイビングで使用されるのが一般的な特徴です。
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3.医療で使用されるヘリオックス
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ヘリオックスは呼吸管理を目的とした医療用法としても使われています。世界で初めて使用されたのは1934年で喘息の患者さんに使われて以来、現在でも当たり前のように採用されてきている呼吸管理法です。
ここでは医療で使われるヘリオックスにはどんな利点があるのか、また問題点についてもあわせて解説していきます。
3-1ヘリオックスが医療で使用される利点
ヘリオックスが医療で使用される利点として空気よりも気道内に酸素を通しやすいという理由があります。混合気体の説明のところでも述べたようにヘリウムは窒素に比べて分子量が小さいためおよそ2倍のスピードで気道内を移動できるというのがヘリオックスの特性です。
気道抵抗が高い患者さんに対し効率の良い換気が行えるため喘息などの様々な症状に対する呼吸管理に使用されています。
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