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5分でわかる「スパルタクス」自由を求め、古代ローマ最大の奴隷反乱を起こした英雄を歴史オタクがわかりやすく解説

よぉ、桜木健二だ。ローマのコロッセウムといえば世界遺産にもなっている有名なものだな。とはいえ、そこでは剣闘士同士の死闘など血生臭い見世物が出されていた。今回のテーマとなる「スパルタクス」はその剣闘士……つまり、奴隷だったわけだな。彼は仲間の奴隷たちと一緒に脱走し、故郷に帰るための戦いを始めるんだ。
歴史オタクのライターリリー・リリコと一緒にその「スパルタクス」について解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/リリー・リリコ

興味本意でとことん調べつくすおばちゃん。座右の銘は「何歳になっても知識欲は現役」。大学の卒業論文は義経をテーマに執筆。歴史のなかでも特に古代の国家や文明に大きな関心を持つ。今回は古代ローマで起こった最大の奴隷反乱を指導した「スパルタクス」についてまとめた。

1.ローマ市民が要求した「パンと見世物」

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奴隷制度によって広がった貧富の差

古代のローマといえば、ヨーロッパからアフリカ北岸、小アジア、シリアに至る広大な領地を持つ「ローマ帝国」として有名ですね。紀元前一世紀半ごろには地中海全域を手中に収めていました。しかし、領土を拡大するためには戦争が不可欠。ローマは征服戦争を繰り返し、隣国を攻めては土地を奪って拡大していったのです。敗戦した国はローマの属州となります。そして、兵士や傭兵などは捕虜となり、故郷から引き離されて「奴隷」としてローマに連行されて行きました。

ローマの有力者たちは「大土地所有地(大農園、ラティフンディア)」で奴隷たちを働かせ富を蓄えていきます。しかし、そのために有力者と中小農民たちの間で貧富の差が開いていきました。

没落したその中小農民たちは、やがて田畑を捨ててローマへ保護を求めてやってくるようになります。そして、彼らはローマの政府に対して「パンと見世物(あるいは、パンとサーカス)」を要求しはじめるのです。

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