1.手に負えなくて困ること。また、そのさま。「この暑さには閉口だ。」
2.言い負かされたり圧倒されたりして、言葉に詰まること。
3.口を閉じてものを言わないこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「閉口」
この「閉口」の1番と2番の意味を見ていただくと、「辟易」の二つの意味と同じだということが分かりますね。「手に負えなくて困ること」というのは、手に負えないほどしつこく続くことに嫌気がさしているという意味なので、「辟易」の「嫌になる」「うんざりする」という方の意味と同じです。「言い負かされたり圧倒されたりして言葉に詰まること」というのは、そのまま「辟易」の「相手に圧倒されて尻込みする」という方の意味と同じことが分かります。
この様に二通りのどちらの意味も共通して表現することが出来るのは「閉口」のみですが、「閉口」は3番目の意味の「口を閉じる」という直接的な意味の印象が強いので、「口を閉じる」ということを強調したい場合以外には「辟易」を用いた方が分かりやすく伝えることが出来ますよ。
「辟易」の対義語は?
「辟易」の対義語は、二通りの意味のそれぞれに対してひとつずつ見ていきましょう。
「感興」
まず、「同じことが続いてうんざりすること、嫌になること、飽き飽きすること」の方の意味の対義語は「感興」です。「感興」は、何かに対して興味が沸くことを表現します。
何かに興味が沸くというのはその対象に対して好感があることや新鮮味を感じているということが分かりますね。「うんざりしたり嫌になること」は物事に飽きたり嫌気がさしているということなので、この対義語としては「感興」を用います。
「悠然」
一方で「相手に圧倒されて尻込みすること」の対義語は、「悠然」です。「悠然」は、落ち着いて少しもあわてない様子や心のゆとりを表現します。相手を見るだけであわてたりたじろいでしまう「辟易」とは正反対の状況や性格を指すことが分かりますね。
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