タンパク質と生物体の機能理科生物細胞・生殖・遺伝

リソソームが自己消化しない2つの理由!細胞内での役割や働きをバイオ系ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「リソソーム」について解説していくぞ。

リソソームとは、細胞内に存在する細胞内小器官だ。実はこのリソソームは細胞を健康に保つために非常に重要な役割を果たしている。内部に強力な酵素を持つリソソームには、安全を担保するために驚くべき仕組みを持っており、さらに関係する遺伝子疾患についても触れていくので、ぜひ最後まで読んで理解してほしい。

大学院で遺伝子工学を専攻していたバイオ系ライターこざよしと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/こざよし

遺伝子工学を中心にマリンバイオテクノロジーを大学院まで専攻したバイオ系ライター。バイオサイエンス、化学分野のトピックスをわかりやすく解説する。

リソソームの役割

image by iStockphoto

リソソームは、真核生物の持つ細胞内小器官の一つで、ライソゾームと読んだりもします。Lysosomeの語源は「Lysis(分解)+some(~体)」で、その語源の通り細胞外から入ってきた異物や細胞内で不要となった生体高分子を分解する役割を持つ器官


細胞は細胞膜で覆われていて、内側と外側には明確な境界が存在していますが、外界とのやりとりが全く無い訳ではありません。時には細胞にとって迷惑な物質も飛び込んでくることがあるので細胞内の物質を吐き出したりしています。常に様々なタンパク質が細胞内で作られているのです。


細胞を健康な状態に保つためにはこうした細胞内のゴミを取り除いたり分解したりする必要がありますが、まさにその役割を担っているのがリソソームであり、いわば細胞内のゴミ処理施設リサイクル工場とも言える存在です。

まずはリソソームがどんな役割をする器官なのかを理解するんだ。

次はリソソームの機能について見ていこう。

リソソーム内の加水分解酵素は50種類にも及ぶ

リソソームは細胞内のゴミ処理施設と言いましたが、ゴミを燃やしているわけでも埋め立てているわけでもありません。リソソーム内には、50種類にも及ぶ加水分解酵素が働いており、その酵素の作用によって不要なタンパク質、核酸、脂質、糖質などが消化分解されているのです。


分解されて残った物のうち、再度タンパク質の材料になるものなどの有用なものは細胞質へと吐き出され、不用なものはエキソサイトーシスの働きによって細胞外へ廃棄されます。実はリソソームの持つ加水分解酵素は、細胞自身も分解するほど強力です。

なぜ自己消化されないのか

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それでは、それほど強力な加水分解酵素を持ちながら、なぜリソソームは細胞自身を消化(自己消化)せずにいられるのでしょうか。その答えは大きく2つ理由があります。順番に解説していきます。

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