
「甲乙丙丁」のそれぞれの意味

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「甲乙丙丁」が序数であることは上記のトピックで解説しましたが、それぞれの文字にも各々意味があります。ただ単純に「甲乙丙丁というのだ」と覚えるよりも、意味まで知っておいた方がより覚えやすくなるでしょう。
1.「甲」ってどんな意味?
「甲」という文字は「甲王丙丁」の中でも最初の文字であり、数字で表現すると1番にあたる文字です。基本的には重要度がもっとも高くなります。例えばビジネスにおけるなどでは、私や貴方といった言葉の代わりに「甲」「乙」などという表現が使用されますが、「甲」とされる立場の方が一般的に上とされる場合が多いです。
2.実は良い意味で使われる「乙」
「乙」は「甲乙丙丁」の中でも2番目に当たり、重要度として標準程度と表す際にも使用されます。
「乙なもの」という言い回しがありますが、これに出てくる「乙」とは「甲乙丙丁」の「乙」です。そのまま解釈すると「2番目に良い」ということになりますが、実は違います。これは「1番であるよりも1歩下がって2番のものの方が、でしゃばり過ぎずかえって良い」という日本人特有の考え方から出来た言い回しであり、転じて「もっとも良いもの」を意味しているのです。
3.やや難読?「丙」について
「丙」は咄嗟に出されると読み方が分からない人も多い漢字です。「へい」とも読みますが「ひのえ」とも読まれます。
順番としては「甲」「乙」に次いで3番目となり、標準以下の重要度として表される際に「丙」が用いられることも多く、良い意味を持っているとはあまり言えません。ただし、序数という要素を抜きにした場合「丙」に悪い意味はありません。
4.知名度が低め?「丁」について
「甲乙丙丁」において、「丁」は知名度がやや下がります。「丁」という言葉そのものが知られていないのではなく、「甲乙丙」に続く文字としての知名度が低いのです。実際に序数として「丁」まで続くことは少なく、重要度の定義づけも行われていません。
読み方は「ちょう」または「てい」です。T字路と呼ばれる道路の形がありますが、まれに「丁字路(ていじろ)」と呼ばれることもあります。
子供の世界から姿を消しつつある「甲乙丙丁」
「甲乙丙丁」は子供の世界で知名度が低く、知らない場合が非常に多いです。しかし大人の世界では、契約書や資格の種別などいまだに根強く残っている部分があります。そのため、大人になってから初めて知ったというケースも少なくないでしょう。
数字の「123」やひらがなの「いろは」、アルファベットの「ABC」と比べて、漢字で表されるため子供には分かりづらいことは事実です。しかしいつかはどこかでふれる機会があることが想定されるため、学生のうちに知っておきたい言葉と言えるでしょう。