
「甲乙丙丁」の使い方について
「甲乙丙丁」に決まった使い方はありません。というのも「甲乙丙丁」は記号であり、言うなればアルファベットのことを「ABC」と言ったり、ひらがなのことを「あいうえお」と表現するようなもので、四字熟語であったり慣用句であるというわけではないのです。それに伴って「甲乙丙丁」という言葉が出てくる際は、「甲乙丙」と表記して最後の「丁」を抜いたりなどという表現をしても、間違いではないということになります。
それを踏まえた上で、以下の使用例を見てください。
1.次の設問の選択肢を「甲乙丙丁」の中から選んでください。
2.このサンプルを結果の数値順に「甲乙丙丁」でラベリングしていってほしい。
3.「甲乙丙丁」の4段階で作品の出来を分けて行こう。
例文を読めばわかりますが、必ずしも「甲乙丙丁」である必要はないということがわかります。選択肢や区分が3つであれば「甲乙丙」になりますし、2つに区分する場合は「甲乙」です。
「甲乙丙丁」ってどこからきたの?

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「甲乙丙丁」は「ABC」や「あいうえお」と同様の記号を表す言葉です。しかしそれならば、「甲乙丙丁」とはどこからきた字の並びなのでしょうか。実は「甲乙丙丁」は十干と呼ばれる数の数え方の一部であり、正式には「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」まで続きます。読み方は「こう・おつ・へい・ちょう・ぼ・き・こう・しん・じん・き」です。
昔の日本ではこれに干支の十二支をかけあわせ、60種類に年を分けていました。60歳を迎えることを「還暦(かんれき)」と言うのはこれが理由であり、「歴(こよみ)が還る(かえる)」、つまり年が1周するという意味になります。
昔は住所にも使用されていた「甲乙丙丁」
日本の住所には、しばしば「○○町乙23-2」などという表記が混じることがあります。この例における「乙」という字は「甲乙丙丁」の「乙」です。昔は住所を数字でなく「甲乙丙丁」や「いろはにほへと」で管理していたため、今でもその名残で「甲」「丙」などが住所に入っている場合があります。
主流であったのは昔の話であり、今はほとんど数字に置き換わりました。とはいえまだ完全になくなったというわけではないため、覚えておくに越したことはありません。
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