「陰の立役者(かげのたてやくしゃ)」
「立役者」とは元は演劇用語で、重要な役を演じる役者のこと。転じて、中心的な存在として活躍する人を指すようになりました。陰にいながら成功を支えるような活躍をするのですから、まさに「縁の下の力持ち」と同じ意味を表していますね。
なお、「影の立役者」と書くのは誤記なので注意してください。「影」は物理的に光がさえぎられて暗くなった箇所のこと。ここは「人から見えない隠れた部分」を表す「陰」が正解です。
「内助の功」
陰で支える身内の功績のことで、中でも夫を支える妻を指して言うことが多い言葉です。
歴史上の人物では山内一豊の妻、千代が有名ですが、筆者としては徳川家康の側室だったお梶の方が思い浮かびました。美貌と才気で家康に愛され、女性ながら関ヶ原にも男装して同行したといわれる人物です。とはいえ有名になるほどの活躍をすると、「内助の功」とはいえなくなってくる気もするので、「内助の功で有名な女性」という言い方自体が少し矛盾しているのかもしれませんね。
「縁の下の力持ち」の対義語は?
次に、「縁の下の力持ち」と反対の意味を表す言葉を紹介します。
「スタンドプレイヤー」
英語では使わない表現ですが、「スタンドプレイをする人」を日本では「スタンドプレイヤー」ということがあります。「スタンドプレイ」とは、団体競技なのにチームの勝利よりも自分の成績や観客に対するアピールを目的にしたプレイのこと。ここから、チームで仕事をすることを重視する場なのに自分だけが活躍すればいいという姿勢の人を非難する意味合いで「スタンドプレイヤー」ということがあります。
目立たなくても努力する「縁の下の力持ち」とは対照的な存在ですね。
「back seat player」
「控え選手、脇役」などの意味です。やはり表舞台で活躍するわけではありませんが、チームの成功には欠かせない支え役のことなので「縁の下の力持ち」を表すのにぴったりですね。日本でも最近名脇役といわれる俳優さんが注目されていますが、こうした人もこのback seat playerといえます。
同様に「unsung hero(称賛されないヒーロー)」という言葉もありますよ。2020年、薬剤師さんを主人公にしたドラマでもunsungという単語が使われていたので、耳にした方もいるのではないでしょうか。
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