この記事では「大団円」について解説する。

端的に言えば大団円の意味は「めでたい結末」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「大団円」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「大団円」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「大団円」の意味や語源・使い方まとめ

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大団円」の読み方は「だいだんえん」です。お芝居や冒険小説などの最後で使われているのを聞いたことがあるかもしれません。時々耳にする言葉ですから、しっかりと覚えましょう。それでは早速「大団円」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「大団円」の意味は?

まず初めに、「大団円」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「大団円」には、次のような意味があります。

1.劇、小説などで、すべての筋が具合よく解決する、最後の場面。

出典:新明解国語辞典(三省堂)「大団円」

2.演劇や小説などの最後の場面。すべてがめでたく収まる結末についていう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「大団円」

大団円とは、わかりやすく簡単に言えばハッピーエンドのことです。つまり、これまでのストーリーで起こったことの全てが丸く収まった幸せな終幕のことですね。小説の結末であったり、演劇のフィナーレドラマのラストシーンなどで使うことができます。

「大団円」の語源は?

次に「大団円」の語源を確認しておきましょう。「丸くおさまる」と言う言葉を聞いたことがあると思います。物事が円満に解決することですね。「大団円」の「団円」は、まさにこの「丸くおさまる」と言う意味を持っています。「大団円」は、この「団円」と言う言葉が語源なのです。「団円」とは、丸いことを意味しますが、「円」には角も欠けたところも無いので、これが転じて、円満であることや、欠けたところがなく完全に終わる、と言う意味になりました。

そして、この「団円」に、華々しく盛大な様子を表すために「大」をつけ、すべてが幸せに丸くおさまると言う意味の「大団円」となったと言うわけです。

\次のページで「「大団円」の使い方・例文」を解説!/

「大団円」の使い方・例文

それでは、実際に「大団円」を用いた例文で、使い方を確認しましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.今人気のアニメ映画を見に行ったが、主人公の苦労が報われ大団円のエンディングを迎えたところで泣いてしまった。

2.登場人物みんなが幸せになり、大団円で終わる絵本を探している。

3.君と彼女はこれまで喧嘩や離れている時期もあったが、こうして多くの友人に囲まれ結婚式を挙げる事ができて大団円と言ったところだね。

例文1、2のように「大団円」は、小説や演劇の終局に、すべてが丸くおさまると言う意味で用いられます。ミュージカルやマンガなど、物語性があるものには用いる事ができるでしょう。そして、例外的に例文3のように、日常の出来事を物語に例えて「大団円」を使うこともできます

よくある間違いとしては、「大団円」を「大円団」と逆さにしてしまうことがありますので、気をつけましょう。

「大団円」の類義語は?違いは?

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「大団円」の類義語には、「めでたしめでたし」や「ハッピーエンド」があります。

「めでたしめでたし」

めでたしめでたし」は主に日本の昔語りの最後の締めの言葉として使われます。聞いたことがないと言う人はいないほど身近な言葉ですね。意味としては、(お話の)主人公が、幸せになりました、と言うことです。また、物語以外でも、物事が丸くおさまって解決した時などにも使われますね。「めでたし」は、古語の「愛づ(めづ)」と「甚し(いたし)」の二つからなる言葉です。もともとは、とても素晴らしいと賞賛する意味合いの言葉ですが、転じて、丸くおさまったことや、幸せになったことを喜び祝うと言う意味を持つようになりました。

「大団円」と違う点は、「めでたしめでたし」が、物語の末尾に決まり文句的な意味合いでつけられる、と言うことです。「大団円」は物語の終局自体を指しますので、使い方に違いが見られることもあります。

ちなみに、「目出度し」など、漢字で書く事もできますが、これは当て字です。

\次のページで「「ハッピーエンド」」を解説!/

「ハッピーエンド」

「ハッピーエンド」もまた、とても身近な言葉ですね。「ハッピーエンド」は物語のエンディングの一つの様式で、主人公が幸せな結末を迎え物語が終わる、というパターンのことです。物語の紆余曲折を経て、最終的に丸くおさまり幸せになる、と言う意味ですから、「大団円」の類義語としてふさわしいでしょう。

「ハッピーエンド」は、「happy」と「end」をを組み合わせた和製英語ですから、英語圏では通じません。英語圏の方に対して言う場合には「have a happy ending」が正しいでしょう。

「大団円」の対義語は?

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「大団円」の対義語は「悲劇」「カタストロフィー」がふさわしいでしょう。

「悲劇」

悲劇(ひげき)」は、簡単に言えば漢字の通り、悲しい劇と言う意味ですね。劇の主人公が、なんらかの不幸にみまわれ、悲しい結末を迎えると言うことです。また、劇以外でも、実際の生活を演劇に例えて、その人の人生に起きた悲しい事や痛ましい出来事を指して使われることも多いでしょう。「大団円」と同じく演劇や物語に対して使われる言葉で、反対の意味を持っていますから、対義語としてふさわしいですね。

「カタストロフィー」

カタストロフィー」は「カタストロフ」とも言います。しばしば耳にする言葉ですから、語彙力アップのためにも覚えておきましょう。「カタストロフィー」は、もともと破壊や大災害を意味するギリシャ語の「カタストロフェ」に由来しています。それが転じて、突然の破滅演劇における悲劇的結末、単に劇の大詰めを指すようになりました。演劇においては、ラストのクライマックスで破滅的な最後を迎えることを指して言うことがほとんどです。小説や実用書などでも使われていることがありますので、覚えておきましょう。

「大団円」を使いこなそう

この記事では「大団円」の意味・使い方・類語などを説明しました。演劇が好きな人は「大団円」と言う言葉は身近なものだと思います。他にも、児童向けの冒険小説などでよく見かけますね。舞台のフィナーレを想像させますので、とても華々しい喜びの印象を受ける言葉ですね。小説などで使われた場合にも登場人物が皆喜んでいる様子を良く感じられる言葉だと思います。

また、類義語のところで「ハッピーエンド」を例に挙げましたが、反対の意味の言葉には「バッドエンド」もありますね。「ハッピーエンド」は前述した通り和製英語ですが、「バッドエンド」もまた和製英語なので注意してくださいね。

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国語言葉の意味

「大団円」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「大団円」について解説する。

端的に言えば大団円の意味は「めでたい結末」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「大団円」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「大団円」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「大団円」の意味や語源・使い方まとめ

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大団円」の読み方は「だいだんえん」です。お芝居や冒険小説などの最後で使われているのを聞いたことがあるかもしれません。時々耳にする言葉ですから、しっかりと覚えましょう。それでは早速「大団円」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「大団円」の意味は?

まず初めに、「大団円」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「大団円」には、次のような意味があります。

1.劇、小説などで、すべての筋が具合よく解決する、最後の場面。

出典:新明解国語辞典(三省堂)「大団円」

2.演劇や小説などの最後の場面。すべてがめでたく収まる結末についていう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「大団円」

大団円とは、わかりやすく簡単に言えばハッピーエンドのことです。つまり、これまでのストーリーで起こったことの全てが丸く収まった幸せな終幕のことですね。小説の結末であったり、演劇のフィナーレドラマのラストシーンなどで使うことができます。

「大団円」の語源は?

次に「大団円」の語源を確認しておきましょう。「丸くおさまる」と言う言葉を聞いたことがあると思います。物事が円満に解決することですね。「大団円」の「団円」は、まさにこの「丸くおさまる」と言う意味を持っています。「大団円」は、この「団円」と言う言葉が語源なのです。「団円」とは、丸いことを意味しますが、「円」には角も欠けたところも無いので、これが転じて、円満であることや、欠けたところがなく完全に終わる、と言う意味になりました。

そして、この「団円」に、華々しく盛大な様子を表すために「大」をつけ、すべてが幸せに丸くおさまると言う意味の「大団円」となったと言うわけです。

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