
3-3. 耐食性の高い材料を使う

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「耐食性」というのは「金属が腐食に耐える性質」という意味の言葉です。ステンレス鋼で耐食性を高めるためにはクロム(Cr)、モリブデン(Mo)の含有量を多くします(Cr+3Moを孔食指数と呼び、この値が高いほど耐食性が高い)。更に窒素(N)を添加したステンレス鋼を使用することも有効です。実際にこれら耐食性を向上させる元素を大量に含んだステンレス鋼が実用化されており、その名前をスーパーステンレス鋼といいます。興味があったら調べてみてくださいね。
工業的にはそれぞれ強度と価格の問題もあるのですがアルミニウム、チタンといった、より耐食性の高い別の材料を採用するという手段も存在します。
金属の腐食形態の一つ「孔食」
単なる鉄であれば腐食環境(水+酸素)の中で全体が均一にさびて薄くなっていきます。しかしステンレス鋼では、塩素イオン(Cl-)により不働態皮膜が局所的に破壊されそこからピットを形成、鉄イオン(Fe2+)濃度が高くなることで腐食が急激に進行することで最悪配管に穴が開き、事故につながる危険性があることが分かりましたね。
そのためには腐食原因を除去できないか、この環境でも腐食しないよう有効な加工法はないか、腐食しない材料は使えないかといった観点から対策を打つことが必要です。