
端的に言えば断腸の思いの意味は「悲しい気持ち」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「断腸の思い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル
某国立大で日本語学を専攻していた。断腸の思いをしたことと言えば、学生時代に家庭教師のアルバイトが決まっていたのに某大型クイズ番組で長期間海外に行く可能性があったためやむなく辞退したこと。ちなみに結果は振るわず、すぐに帰宅した。
「断腸の思い」の意味は?
まず、辞書には「断腸の思い」ではなく「断腸」で掲載されていました。「断腸」には、次のような意味があります。
はらわたを断ち切ること。はらわたがちぎれるほど、悲しくつらいこと。「断腸の思い」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「断腸」
「断腸」(だんちょう)とは「腸が断たれる」、つまりはらわたが引き裂かれることです。「断腸の思い」(だんちょうのおもい)とすると、はらわたが引き裂かれるほどつらい思い、それはつまり「悲しくてつらい気持ち」となります。はらわたを切るとなると外科手術や切腹を連想しますが、考えただけでもゾッとしますよね。
「断腸の思い」の語源は?
次に「断腸の思い」の語源を確認しておきましょう。実は前掲した辞書の「断腸」の箇所には続きがあります。まずはそちらを見ていきましょう。
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