平成現代社会

「思いやり予算」とは?日米関係や協定内容を元大学教員が3分で解説

よぉ、桜木建二だ。「思いやり予算」は心温まるような名前だが、正式名称は防衛省予算の一部である「在日米軍駐留経費負担」のこと。日本に駐留しているアメリカ軍が必要とする経費の一部を日本側が負担するという意味だ。最近は4倍増しを要求されていることから国内の反発も高まっている。

思いやり予算とはどのような政策の一環なのだろうか。指摘されている問題や関連する出来事を、現代社会に詳しいライターひこすけと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/ひこすけ

アメリカ文化やメディア政策を専門に研究している元大学教員。大統領選にトランプが敗北したことで、日米安保条約や普天間飛行場移設問題など、日米関係の方向性が気になる今日この頃。そこで思いやり予算の合意内容や米国の姿勢などを調べてみた。

思いやり予算とは駐留経費の負担分のこと

防衛省が設置される防衛省庁舎A棟(左奥)と 防衛省庁舎正門(手前)
本屋本屋‘s file (self-made), CC 表示-継承 3.0, リンクによる

思いやり予算とは日本が負担している在日米軍駐留経費の一部のこと。給与のような人件費や訓練移転費などにあてられている。思いやり予算が組まれたのは1978年。日本の景気が良い一方、アメリカの財政が悪化している時期に、日本が「自主的」に負担したのがはじまりです。

防衛省の予算に計上されている経費

思いやり予算が計上されているのは防衛省の予算。思いやり予算というのは通称であり、正式には在日米軍駐留経費負担と名付けられました。正式名称から分かるように、日本に駐留しているアメリカ軍が必要とする経費の一部を日本が負担するという意味です。

日本は40億を超える金額を負担していますが、いくら負担するのかは、日米地位協定と在日米軍駐留経費負担に係る特別協定のふたつを根拠に決められました。このような負担は、韓国、ドイツ、イタリア、クウェートなどでも発生していますが、数字は日本が圧倒しています。

米軍で働く日本人の福利厚生費の負担からスタート

思いやり予算は、米軍の日本に駐留するうえでかかる経費を負担するもの。もともとは、1978年に米軍基地で働く日本人向けの福利厚生費の一部を負担することからスタートしました。日本人の給与や利用する施設の拡充などにも活用されていきます。

1987年に在日米軍駐留経費負担特別協定が締結され、米軍基地で働く日本人の手当てにも拡大。1991年には基本給の支払いにあてられるようになります。もともと日本人の福利厚生や給与にあてられていた思いやり予算は、徐々に米軍の運営費もカバーするようになっていきました。

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思いやり予算はもともと米軍基地で働く日本人に向けて組まれていたが、その趣旨が徐々に変わってきたというわけだ。思い切った言い方をすれば、アメリカの軍事費の一部を日本が負担しているということ。そのため本当に適切な予算なのか絶えず問題視されているんだな。

思いやり予算が生まれた経緯

image by PIXTA / 70879614

思いやり予算が生まれたのは1970年代。ピークは過ぎたものの円高により経済が成長している時期でした。米軍の駐在費用が増えていくことに不満を持つアメリカを配慮して、日本側が「自主的に」用意したことから思いやり予算と呼ばれるようになりました。

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