
凝灰岩とは簡単に説明すると、火山灰が降り積もってできた岩石のことなんです。火成岩には玄武岩や花崗岩と言った様々な岩石が含まれているが、実は凝灰岩にも様々なでき方や種類があるんです。
今回は凝灰岩について地学に詳しいライターオリビンと一緒に解説していきます。
ライター/オリビン
大学院を地球科学専攻で卒業した地学大好き人間。岩石と鉱物採集が趣味なため、家中に岩石が転がっている。
凝灰岩とは
火成岩はマグマが冷え固まることでできる岩石、堆積岩は泥や砂などが沈殿して固まることでできる岩石です。凝灰岩(ぎょうかいがん)は火山が噴火したときの噴出物が陸上や水中に堆積してできる岩石のことを言います。凝灰岩はもともとマグマ由来の噴出物が堆積してできた岩石であるため、あるときは火成岩に分類され、あるときは堆積岩として扱われているのです。凝灰岩の中には火山の山体を作っていた岩石片が混じることがあります。また、粒度は細粒のものから粗粒のものまで様々なんですよ。そのため、見た目や質感などは凝灰岩の産出する場所によって異なっています。
また、どのような火山灰や形成過程でできているかによって複数の種類に分けられているのです。
火山噴出物とは

image by Study-Z編集部
では凝灰岩の素となっている火山噴出物とは具体的にどのようなものでしょうか。
火山から出てくるものの総称を火山噴出物と呼んでいます。気体としては二酸化炭素や水蒸気といった火山ガス、固体としてはマグマが飛び散ったときに固まった火山弾や火山灰などがあるんですよ。
またマグマが火口から噴出するときにその途中にある岩石を一緒に運んでくることもありますが、この岩石も捕獲岩という火山噴出物の一つです。捕獲岩には安山岩や流紋岩・石灰岩など様々な岩石が混じります。このように巻き込まれてきた岩石は角が角ばっているため、角礫岩のような見た目の凝灰岩になるのです。
凝灰岩の見分け方

image by iStockphoto
凝灰岩とその他の堆積岩は判定することが難し場合があります。もし凝灰岩かどうかがわからなかった場合、まずは岩石の中に気孔があるか確認してみましょう。凝灰岩の素となっている火山噴出物が堆積するとき、よく気泡も一緒に堆積します。また、軽石やガラス質の岩片なども火山噴出物に特有の物質なので、それらが含まれているかどうかもチェックしましょう。軽石が混じるため凝灰岩は多孔質となり、その結果凝灰岩によって比重も様々なんですよ。
肉眼での観察でもわからない場合は薄片という岩石を薄く研磨したプレパラートを作成し、専門家に見てもらうのも一つの方法です。
\次のページで「凝灰岩の出来かた」を解説!/