
端的に言えばフェミニストの意味は「男女同権論者」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
語学好きで歴史好き、名古屋出身で5年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「フェミニスト」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/eastflower
今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な5年目のライター、eastflower。「フェミニスト」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。
「フェミニスト」の意味は?
最初に「フェミニスト」の辞書の意味から見ていきましょう。
1. 男女同権論者。女性解放論者。女権拡張論者。
2. 女性を大切に扱う男性。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「フェミニスト」
「フェミニスト」という言葉は、「女性」を表すラテン語の「femina」から派生した言葉で、19世紀や20世紀になって男女同権を求める人々が増加することに伴い世界中で広く使われるようになりました。
ファッションに詳しい方にとっては、馴染みがある言葉だと思いますが、「フェミニン」(feminine)なスタイルと言えば、女性らしい優しい路線のファッションのことで、例えば、ピンクを基調としたワンピースやロングや三つ編みのヘアースタイルなど可愛らしく愛らしいスタイルのことを言い、一方、「マスキュリン」(masculine)なスタイルと言えば、男性らしくあるいは中性的なファッションのことであり、例えば、ショートカットでパンツなどボーイッシュで男性的なファッションのことを表します。また、ヨーロッパの言語、例えば、スペイン語やイタリア語においては名詞は、男性名詞と女性名詞があり、文法上、男性形(だんせいけい)のものを「マスキュリン」、女性形のものを「フェミニン」と呼んでいるのです。
「フェミニスト」の語源は?
次に「フェミニスト」の語源を確認しておきましょう。
人間の過去の歴史を振り返ると、程度の差こそあれ、ほとんどすべての国において男性中心の考え方に基づいて制度や社会が作られてきました。しかし、1830年代に入るとフランスを中心に「男女同権」や「女性の権利の拡張」を求める発言や運動が起こり、その流れはヨーロッパ全土に広がっていきました。
「フェミニスト」は、「男女同権論」や「男女平等論者」の意味ですが、「フェミニストたち」が社会に訴える主張の内容や方向性は、時代によってしばしば異なり、「第1期フェミニズム」と呼ばれる19世紀末から20世紀初期の時代には、近代にできた平等の考えに基づく人権の概念を男性のみでなく女性にも拡げようとする主張であり、特に女性参政権の獲得を目指すものでした。
時代が移り、1960年代以降のフェミニズムにおいては、制度上の問題だけに留まらず、思想や哲学、学問の分野のいたるところまで浸透していた男性中心主義、男性優遇主義を告発して女性が社会的にも経済的にも自己決定権が獲得できることを目標に展開されていきました。「フェミニスト」や「フェミニズム」あるいは「ウーマン・リブ」などが社会の中で多く語られるようになったのも1960年代でした。
日本では、女性を大切にする勇敢な騎士(ナイト)のような人たちのことも「フェミニスト」と呼ばれてきました。しかし、原語の英語では「勇敢で女性を大切にする人」のことは、gallant(ガラント)(gəlˈænt)といい「フェミニスト」とは言わないのです。
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