「矜持」の使い方・例文
「矜持」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.高キャリアと幅広い知識を売りに英会話教室の人気講師として名高かった彼女だが、大学生に英語の誤用を指摘されて矜持を傷つけられた上に、仕事を辞める羽目になった。
2.依頼された仕事を本来の締切日時よりも前に完了しなければ、自分自身の中の矜持が許さない。
3.結果的には負けてしまったが、武士としての立場や矜持を守るために最後まで諦めず相手に立ち向かっていった。
以上の例文を見ていただくと分かる様に、「矜持」は「プライド」や「誇り」という言葉の使い方と同じように用いることが出来ます。
「矜持を持つ」、「矜持を傷つけられる」、「矜持が許さない」、「矜持を守る」などの言葉が続くことがほとんどです。確かに「プライド」や「誇り」と使い方は同じですが、「矜持」は「プライド」という根拠のない自信と「誇り」という根拠のある自信の両方の意味を含む言葉なので、両方の意味を表現したいときには「矜持」、どちらかの意味を強調したい場合には「プライド」か「誇り」を用いるようにしましょう。
「矜持」の類義語は?違いは?
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「矜持」とは、自信や誇りをもって堂々と振る舞うということを表現する言葉でした。しかしなかなか日常的には用らない言葉なので、意味がうまく伝わらないという場面も多いです。その場合に、より身近な言葉を使って表現する言葉を紹介します。
それでは「矜持」の類義語やその使い分けを見ていきましょう。
「自尊心」
「自尊心」とは自分自身の人格を大切にしたり自信を持つことや、自分を尊ぶあまり自分自身のみの考え方に固執して他人の意見を排除するという意味を持ちます。
「自尊心」はその漢字の通り自分を尊敬したり誇りに思うという意味であることが分かるので、大まかには「矜持」と同じ意味を持つということが分かるでしょう。この様に基本的な意味は同じですが、「矜持」と「自尊心」を使い分ける際には多少の注意点があります。
「自尊心」とは、自分自身の人格に自身を持つことを指す言葉でしたね。これに対して「矜持」は、自分のしてきたことや社会的立場に対して自信を持つことを指します。よって「自尊心」を使うのは個人の内面的な物に自信を持っているとき、「矜持」を使うのは社会的な物や外側に発信していることに対して自信を持っている時という使い分けが出来ますね。
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