
端的に言えば「矜持」の意味は「誇りを持つこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「矜持」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/タビビト
文学部現役学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で慣用句を分かりやすく解説していく。
「矜持」の意味は?
「矜持」には、次のような意味があります。
《慣用読みで「きんじ」とも》自分の能力を優れたものとして誇る気持ち。自負。プライド。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「矜持」
「矜持」は、「きょうじ」と読みます。多くの方が「きんじ」という読み方の方が聞き慣れているかと思いますが、「きんじ」は一般的に用いられている慣用読みで、正しい読み方は「きょうじ」の方なのでこの機会に頭に入れてみてください。
そんな「矜持」ですが、自分の能力に対して揺るぎのない自信を持つことや誇り高く振る舞うことを指す言葉です。自分に能力があると本気で信じたり自信や誇りを持つことは簡単に出来ることではないですよね。あまり日常的に使われることはないですが、ビジネスシーンで用いると自信やプライドという感情を、より畏まった印象として伝えることが出来ます。
「矜持」の語源は?

image by iStockphoto
次に「矜持」の語源を確認しておきましょう。
「矜持」の語源は、戦の時代にまでさかのぼります。「矜持」の「矜」には、「矛」という漢字が含まれていますね。昔の戦は矛や盾で闘っていたということはご存じかと思います。この戦で兵士にとって矛を持つということは自信や誇りに繋がるものであったということから、「矜」という漢字は「誇る」という意味を表現する様になりました。
また、「矜持」の「持」には「寺」という漢字が含まれていますね。「寺」という漢字は「保つ」や「じっとしている」という意味を含むので、「矜」と「持」という二つの漢字の意味を組み合わせると「誇りを保つ」という意味になることが分かると思います。
この様に「矜持」は兵士が矛を持って誇り高く戦う様子になぞらえて、「自信をもって堂々とすること」を表現する言葉であるということが分かりましたね。
\次のページで「「矜持」の使い方・例文」を解説!/