
「割に合う」の使い方・例文
「割に合う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.大学近くのきれいなお店でアルバイトを始めて、忙しいが時給が高く割に合う業務だと感じている。
2.興味のある会社に就職できたものの、本当のところは実質無料で働かされる時間が長めで、割に合わない仕事だった。
3.頼まれて言語研究会のサイトチェックの手伝いをしていたが、作業をした分お礼ももらえて割に合う仕事だった。
1の例文はアルバイトの業務内容が割に合っている、と言った内容の文章です。忙しいという大変さがあるけれどその分それに見合っただけの時給をもらっているため、割に合うと言えるのですね。このようにかなり大変だが給料が高いという形の仕事にも、あまり大変ではないが給料も低いという形の仕事にも、「割に合う」という言葉はぴったりあてがうことができます。反対に仕事が大変なのに給料が安いといった場合や仕事は楽なのに給料が高いといった場合には得をしている・していないにかかわらず「割に合う」という言葉は適さないため、気を付けておきましょう。
2の例文は「割に合わない」という否定の形を使用した例文です。前述の通り、日常ではこちらの否定形で使われることの方が多い慣用句であるとも言えるでしょう。内容が多かったり難しかったりして大変なのに給料が安い…といったような状況は、仕事を始めアルバイトなどでも体験したことがある人も多いのではないでしょうか。基本的に「割に合わない仕事」と言うと大変なのに給料や待遇が良くない仕事という意味で使われることが多いため、こちらの意味を押さえておくと便利ですよ。
3の例文は手伝いをしてお礼をもらえたという内容の文章です。実際に就職して労働しているという形ではありませんが、このような場合にも少し比喩的なニュアンスで「割に合う仕事」などと言うことができます。
全体を通して見ると、主に仕事について使われる慣用句だということがわかるでしょうか。これは仕事というものがそもそも働いた内容について対価を支払うといった形態のものであるため、割合を表す言葉を使った「割に合う」という慣用句と結びつきやすいからだと言えるでしょう。
「利益にかなう」
ここでの「かなう」は漢字で表すと「適う」であり、「条件・基準などによく当てはまること」を指す単語です。つまり全体で「利益に良く当てはまること」という意味になりますね。利益という単語が使われている分、「割に合う」よりも意味がわかりやすい慣用句と言えるかもしれません。利益とそれに対する行動がぴったりと適合しあっているという点で、「割に合う」との類義関係が見つけられそうです。
一方で、こちらは利益があることが前提だという点が「割に合う」との相違点だと言えるでしょう。「割に合う」は内容の大変さとそれの対価や利益が合致していればそれらが共に低くても割に合っている状態だと言えるため、この違いにはよく気を付けておきましょう。
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