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端的に言えば「痛くもない腹を探られる」の意味は「あらぬ疑いをかけられること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「痛くもない腹を探られる」の意味や例文、類語などを見ていきます。
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ライター/やぎしち
雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。
「痛くもない腹を探られる」の意味は?
「痛くもない腹を探られる」には、次のような意味があります。
《腹痛でもないのに痛い所はどこかと探りまわされる意から》何のやましいこともしていないのに、疑いをかけられる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「痛くもない腹を探られる」
この言葉は、「疑われる理由もないのに、疑いをかけられる」という意味の慣用表現です。「あらぬ疑いをかけられる」とも言いますね。
言葉自体は難しくないため、イメージしやすいのではないでしょうか。痛くもないのに、他人からお腹を探られたら、いい気分はしませんね。この表現が用いられる場合、そうした、嫌な感情が含まれていることも多くあります。表現している人の意図まで想像してみると、意味がしっかりと理解できるでしょう。
加えて、この表現の元には「腹を探る」という慣用句も関わっていると考えられます。この意味については、次の語源の項を確認してください。
「痛くもない腹を探られる」の語源は?
次に「痛くもない腹を探られる」の語源を確認しておきましょう。理解を深めるため、まずは先ほど述べた「腹を探る」という慣用句の意味を確認します。
「腹を探る」は「人の心中や考えをうかがう、推測すること」。この場合の「腹」は、実際の「お腹」ではなく「こころ・考え、感情」など内側に秘めたものを意味します。悪い感情を持っている人のことを、「腹黒(はらぐろ)な人」などというのを聞いたことがあるのではないでしょうか。「痛くもない腹を探られる」も同じことで、他者から「内面や人に見せない部分」を探られる、と受身形の表現として使われるようになったのでは考えられます。
しかも「痛くもない腹」なわけですから、動作を受ける側の被害者的感覚、相手への非難などの感情をよく表す表現となるでしょう。自分が「痛くもない腹を探られたら」どんな気持ちになるか、想像してみてくださいね。
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