突然ですが、日本では1年で何回くらい地震が起きているか知っているか?
その年によってかなりばらつきはありますが、多い年で震度1以上の地震が50000回以上、少なくても1000回近く起きているんです。この地震ととても深い関係にあるのが今回のテーマである「断層」です。断層は地震が起きてもニュースではあまり報じられないから聞き慣れていない人も多いんじゃないか?
今回は断層について、地学に詳しいライターオリビンと一緒に解説していきます。

ライター/オリビン

大学院を地球科学専攻で卒業した地学大好き人間。岩石鉱物採集が趣味なので、家中に岩石が転がっている。

地球の構造

image by iStockphoto

日本は世界の中で地震の回数がかなり多い国です。また、多いだけではなく大地震による震災も多い国でもあります。では、なぜ日本ではこれほどまでに地震が多いのでしょうか?

地球は中心から内核・外核・マントル・地殻の4つの層で構成されているんですよ。マントルの上部は液体をしており、その上を固体である地殻が数枚のプレートとして滑るようにして動いているのです。プレートは全部で14~15枚あります。このプレートは海嶺と呼ばれる場所で生み出され、海溝へ沈んでいくように動いているんですよ。しかし、場所によってはプレート同士がぶつかり合っていたり、プレートの下に違うプレートが沈み込んでいたりとプレート同士が複雑に絡み合っています。

断層のでき方

プレートとプレートがぶつかり合ったり、プレートの下に違うプレートが沈み込もうとすると、プレートとプレートの境界には段々と歪が蓄積していきます。この歪に耐えきれなくなってプレートの一部が破壊されてできるのが断層です。

断層の見つけ方

断層の見つけ方

image by Study-Z編集部

断層は意外と簡単に見つけることができます。まず国土地理院が出している地形図や航空写真を用意しましょう。断層は上下方向の変位だと思われがちですが、地表からだと横方向にも変位を受けているため、地形図の中から山や川が横ずれしている場所を見つけるのです。地形図は近くの本屋さんに売られており、航空写真はネットで閲覧できます。気になる場所をマップで検索してみましょう。

地震が起きるメカニズム

プレートが歪に耐えきれなくなり断層ができると、その衝撃波が振動となって周りに伝搬します。この振動が地震です。

地震が発生したポイントを震源地、震源地の真上を震央、地震を観測したポイントを観測地と呼びます。地震を起こしたエネルギーの大きさをマグニチュードと呼び、記号でMと書くんですよ。観測地で観測された揺れの強さを震度といい、震度1~7まで設定されています。

断層の種類ー逆断層ー

image by iStockphoto

地震の原因となっている断層ですが、どのような力が加わることでできたかで大きく2種類に分けることができます。プレートとプレートがぶつかり合っているような場所では、プレートの境界に向かって力が働きますよね(圧縮応力)。このように押し付け合う力によってできた断層を逆断層と呼びます。このとき、破断した面に対して片方が斜め下側へ、もう片方は先程のプレートにのし上がるような形になるのです。

\次のページで「断層の種類ー正断層ー」を解説!/

断層の種類ー正断層ー

プレートの下に違うプレートが沈み込んでいる場合、沈み込むプレートは下への方へどんどん引っ張られていくためプレートには引っ張られる力(引張応力)が溜まっていきます。また、沈み込まれているプレートにも沈み込んでいるプレートによってプレート境界面に引張応力が加えられているんです。このように引っ張られる力によってプレートが破断することを正断層といいます。正断層では逆断層とは違い、破断面の片方がもう片方の下へ落ちるような形になるのです。

日本の断層事情ー海洋編ー

日本は太平洋プレート・フィリピン海プレート・北米プレート・ユーラシアプレートの4つのプレートの境界に位置しています。太平洋プレートとフィリピン海プレートの2つのプレートは海洋プレートと言って、年に数センチずつ日本の下へ潜り込んでいるんですよ。その結果、大陸プレートである残りの2枚のプレートは海洋プレートと接している部分にだんだんと歪(ひずみ)がたまっていき、限界まで歪がたまると大陸プレートが跳ね上がるようにして先端部分が動きます。大陸プレートと海洋プレートの境界は海中にあるため、このようにして発生する地震を海溝型地震と呼ぶんですよ。この時、プレートには圧縮する力が働いているため逆断層が形成されます。2011年に発生した東日本大震災もこの仕組みにより発生した地震です。海溝型地震ではしばしば津波が発生するため注意が必要ですよ。

日本の断層事情ー内陸編ー

大陸プレートの上に存在している日本にはプレート運動によってさまざまな向きの力が働いています。太平洋側では海洋プレートの沈み込みにより海側へ引っ張られる力が働き、大陸プレートは中国大陸側へ向かって移動しているため日本海側では中国側へ引っ張られる力が働いているのです。つまり、日本は東側と西側へ引きちぎられるような力が働いています。その結果、内陸では引っ張りの力によって地面が割れ、正断層が形成されるのです。この正断層の形成による地震を直下型地震と呼びます。直下型地震は海溝型地震と比べて小規模の場合が多いです。

活断層とは

日本のいたるところで断層を見ることができますが、断層の中には今後動かない断層と将来的に再び動く可能性のある断層の2通りに分類することができます。将来的に再び動いて地震を発生させる可能性のある断層を活断層と呼ぶんですよ。主な活断層の特徴は以下の4つです。

一定の時間をおいて繰り返し活動する

活断層とえいど、常に動いているわけではなく普段はじっとしています。しかしプレートには一定の力が加わっているため、歪がたまっては解放(断層が動く)し、また歪がたまっては解放するを繰り返すのです。この間隔は大体一定になっています。

\次のページで「ずれるときは常に同じ向き」を解説!/

ずれるときは常に同じ向き

image by iStockphoto

プレートに加えられる力は基本的に長期間変化することはありません。つまり、断層には同じ向きで同じくらいの大きさの力が加わっているんですよ。そのため、断層の動く向きは常に一定なのです。

 

ずれる速さは断層によって異なる

プレートに加わる力は一定であると説明しましたが、それによってどれくらいずれるのかは断層によって異なります。また、断層は活動すればするほどずれの大きさは大きくなるんですよ。

活動間隔は極めて長い

多くの断層研究の結果、断層が一度活動してから次の活動までは数百年ほどの感覚が開くことがわかりました。

断層の長さが長いほど大地震を起こしやすい

image by iStockphoto

イメージはしやすいと思いますが、断層の長さが長いほど多くの地盤が動くため、生じる地震も大きくなります。平成28年に起きた熊本地震について茨城県のつくば市にある産業総合研究センター(産総研)の研究チームが調査した結果、益城町では最大2メートルの右横ずれがあったと報告があったんですよ。

身近に断層があるのか調査してみよう

断層とは、プレートの運動によりプレート内部に溜まった歪が限界に達したとき、プレートに割れ目が入ることを言います。断層は両側に引っ張られる力によって生じる正断層と、圧縮される力によって生じる逆断層の2つに分類されるのです。断層には一度だけではなく、今後も動く可能性のある断層として活断層というものがあります。活断層により定期的に地震が発生し、これまでの歴史でも大きな被害をもたらしてきました。

日本は4つのプレートがひしめき合っている場所なので、意外と身近に断層があることがあります。航空写真などの資料やフィールド調査をすることで発見できるため、近くの地盤を観察してみましょう。

" /> 断層と地震にはどんな関係があるの?活断層などについても地球科学専攻卒が5分でわかりやすく解説 – Study-Z
地学地球地質・歴史岩石・鉱物理科

断層と地震にはどんな関係があるの?活断層などについても地球科学専攻卒が5分でわかりやすく解説

突然ですが、日本では1年で何回くらい地震が起きているか知っているか?
その年によってかなりばらつきはありますが、多い年で震度1以上の地震が50000回以上、少なくても1000回近く起きているんです。この地震ととても深い関係にあるのが今回のテーマである「断層」です。断層は地震が起きてもニュースではあまり報じられないから聞き慣れていない人も多いんじゃないか?
今回は断層について、地学に詳しいライターオリビンと一緒に解説していきます。

ライター/オリビン

大学院を地球科学専攻で卒業した地学大好き人間。岩石鉱物採集が趣味なので、家中に岩石が転がっている。

地球の構造

image by iStockphoto

日本は世界の中で地震の回数がかなり多い国です。また、多いだけではなく大地震による震災も多い国でもあります。では、なぜ日本ではこれほどまでに地震が多いのでしょうか?

地球は中心から内核・外核・マントル・地殻の4つの層で構成されているんですよ。マントルの上部は液体をしており、その上を固体である地殻が数枚のプレートとして滑るようにして動いているのです。プレートは全部で14~15枚あります。このプレートは海嶺と呼ばれる場所で生み出され、海溝へ沈んでいくように動いているんですよ。しかし、場所によってはプレート同士がぶつかり合っていたり、プレートの下に違うプレートが沈み込んでいたりとプレート同士が複雑に絡み合っています。

断層のでき方

プレートとプレートがぶつかり合ったり、プレートの下に違うプレートが沈み込もうとすると、プレートとプレートの境界には段々と歪が蓄積していきます。この歪に耐えきれなくなってプレートの一部が破壊されてできるのが断層です。

断層の見つけ方

断層の見つけ方

image by Study-Z編集部

断層は意外と簡単に見つけることができます。まず国土地理院が出している地形図や航空写真を用意しましょう。断層は上下方向の変位だと思われがちですが、地表からだと横方向にも変位を受けているため、地形図の中から山や川が横ずれしている場所を見つけるのです。地形図は近くの本屋さんに売られており、航空写真はネットで閲覧できます。気になる場所をマップで検索してみましょう。

地震が起きるメカニズム

プレートが歪に耐えきれなくなり断層ができると、その衝撃波が振動となって周りに伝搬します。この振動が地震です。

地震が発生したポイントを震源地、震源地の真上を震央、地震を観測したポイントを観測地と呼びます。地震を起こしたエネルギーの大きさをマグニチュードと呼び、記号でMと書くんですよ。観測地で観測された揺れの強さを震度といい、震度1~7まで設定されています。

断層の種類ー逆断層ー

image by iStockphoto

地震の原因となっている断層ですが、どのような力が加わることでできたかで大きく2種類に分けることができます。プレートとプレートがぶつかり合っているような場所では、プレートの境界に向かって力が働きますよね(圧縮応力)。このように押し付け合う力によってできた断層を逆断層と呼びます。このとき、破断した面に対して片方が斜め下側へ、もう片方は先程のプレートにのし上がるような形になるのです。

\次のページで「断層の種類ー正断層ー」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: